秋といえば、豊かな実りの時期であるが、日差しも柔らかくなり寒い冬に近付き物憂げでおセンチな気分になる時期でもある。今年も秋を迎え、そういう気持ちになる時期だ。今日は秋に観るのにふさわしい映画を紹介したい。
「黄昏」
名優ヘンリー・フォンダの遺作でもある作品だ。娘役には彼の実の娘であるジェーン・フォンダが出演している。実生活でも親子の間で反目しあった時期もあり、遺作での親子の共演は何とも感慨深いものがある。アカデミー賞の主演女優賞を2回受賞したキャサリーン・ヘップバーンも共演している。
舞台は紅葉の頃の湖畔の家、ヘンリー・フォンダ演じる主人公の老人が人生の黄昏の時期を迎え、自分の歩んで来た人生や娘との絆について見つめ直す。フォンダ自身が自分の人生を振り返っているような、静かで優しい作品だ。秋を感じる名作だ。
ヘンリー・フォンダといえば、スタインベック原作の「怒りの葡萄」、巨匠フレッド・ジンネマンがメガホンを執った陪審員制度を扱った社会派作品「十二人の怒れる男」、子沢山の男女の結婚を描いたホームドラマ「合併結婚」、ジャック・レモンと共演した「ミスター・ロバーツ」などなど数多くの作品が思い出される。中でも最も好きな作品は、スペンサーの山だ。粗野で教会嫌いの父親が、自分の夢である山の家と引き換えに息子の夢を叶えるお話だ。と書くと暗い話に聞こえるが、良きアメリカの良心にあふれた素晴らしい作品なのだ。
ジョン・ウェイン、ジェームズ・スチュアート、グレゴリー・ペックなどに並ぶビッグスターだ。
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