2010年2月27日土曜日

ザ・ハリケーン



無実の罪で終身刑を宣告された黒人ボクサー。
彼の名は、ルービン・“ハリケーン”・カーター。
彼は、獄中でも誇りを持って1冊の本を執筆する。
その1冊の本が少年との繋がりを生み、カーターは外の世界に微かではあるが希望の光を見る。

少年を通して外の世界に希望の光を見る。
どこにいてもどんな境遇にいても心の自由は誰にも奪われない。
決して諦めなかったチャンピオンと少年の姿に胸を打たれた。言葉が伝える力はすごい。

この映画が良かった点は、黒人に対する人種差別だけに徹していないこと。白人だからという偏見で凝り固まっていないことは、映画の本質から考えて重要だと思う。
途中、カーターが自問自答する場面や仲間の囚人と白人について語り合う場面などからもそのことが読み取れる。
少年も彼を支援するカナダ人たちもカーターも求めているのは真実であり、正義であり、自由である。
彼の心の自由は決して誰にも奪われない。
人間としての善意の心がそれを信じ、そのために戦い、心の交流が生まれる。
ラストに彼は真の意味で自由を勝ち取ったチャンピオンになる。
そういった信じとおす勇気を持った行動の大切さを描いていた。
本=言葉の重みや学ぶことの大切さも少年とカーターのやり取りから感じられた。
もっと白人を悪者にし、虐げられる彼の姿を描けばもっと盛り上がったかもしれないが、1つの考えに偏らせるだけであり意味がない行為だと思う。
良識を持って事実を歪曲して伝えない姿勢は高く評価できると思う。



0 件のコメント:

コメントを投稿