2010年5月17日月曜日

96時間







最近、レンタルして面白かった映画と言えば、アバターを除くと『96時間』である。
主演は、『シンドラーのリスト』や『スターウォーズ・エピソード1』のリーアム・ニーソン。リュック・ベッソン制作のサスペンス・アクションだ。

元CIAの工作員だったブライアン・ミルズは、引退して妻とも離婚し、カリフォルニアで一人暮らしていた。
彼の唯一の生きがいは娘のキム(マギー・グレイス)。
裕福な再婚相手の家庭で暮らすキムと離ればなれにはなったが、いつも娘のことを気に掛けていた。
そんなある日、17歳になったキムは友達のアマンダとヨーロッパ旅行に行きたいとブライアンに同意書のサインを懇願した。
ブライアンは最初は、危険を心配してサインを拒んだが、娘の根気に負けて、あれやこれや条件付きでサインをした。
携帯で必ず居場所を知らせることなどを条件に、キムはパリに旅立った。
しかし、ブライアンが恐れていたことが現実になってしまうのであった。
キムとアマンダが空港で知りあった若者とタクシーを相乗りしたことで、アルバニア系の人身売買組織に誘拐されてしまった。
誘拐される直前に電話でキムと話したブライアンは、最後の電話を手掛かりに娘の救出に向かった。
救出までの猶予は96時間。
それを過ぎると売買は成立し、キムを探し出すことは困難になる。
CIA時代のコネクションを使いありとあらゆる手段を使い、組織に近付いて行く。
果たして、キムは無事救出されるのだろうか、...

この映画、何が良いかというとリーアム・ニーソンにつきる。
リチャード・ギアみたいに軽くもないし、トミー・リー・ジョーンズほど重くもない。
派手ではないが、存在感があるリーアム・ニーソンにうってつけなのだ。
シンドラーのリストで見せた人間臭さのある人物やスターウォーズのジェダイ・マスターの威厳など、多様な人物を演じるが冷静で芯を持った人物にピッタリなのだ。
この映画では、娘の救出のためにはマフィアであろうが、フランスの機関の元友人であっても容赦せず追い込んで行く。
その姿勢は徹底していて、物語はスピーディに展開していく。
手掛かりをつかみ、徐々にキムに近付いていく緊迫感に引き込まれていく。
少し前に『トランスポーター3』を観たが、はっきり言ってこちらの方が断然面白かった。

フランス映画には良い映画が沢山あるが、どちらかと言えば、この手のアクション映画は暗めに深刻な物が多く、爽快感という点から見ると、あまり良い作品は少なかった気がする。
良い意味で、ハリウッド的なスピーディな娯楽性があって良くできた作品に仕上っていた。
この作品の評判が良かったので、続編が作られるのも決定しているそうだ。
因みに、元妻役にはファムケ・ヤンセンが配役されていた。
彼女は『007ゴールデンアイ』で、ピアーズ・ブロスナンを痛めつける悪につくボンドガールで登場した女優さんだ。
この映画ではマフィアが拐った女性を麻薬漬けにして従わせるシーンが出てくるが、ヤンセンは実生活において、国連活動で麻薬撲滅のために闘っているそうだ。

あの手この手で様々な映画を世に送り出すリュック・ベッソンの勢いは、まだまおさまりそうにない。

- Posted using BlogPress from my iPodTouch