2010年2月26日金曜日

イルカの日



アマゾンに生息するピンクイルカと彼らと仲良く暮らす少女のドキュメンタリーを観た。ピンクイルカの目玉は幸運を呼ぶという迷信やイルカの生殖器が強壮剤になるということで密漁者から命を奪われたり、魚の密漁の網に絡まり命を落とすイルカが数多くいるそうだ。政府の期間も保護しようとしているが、なかなか上手くことが運ばないらしい。
人間とはつくづく身勝手な生き物だと思う。迷信を信じて目玉をくり抜くために一頭のイルカの命を奪う。なんて酷い話だろうか。
彼らと戯れる少女や少女の母親は迷信を信じる馬鹿馬鹿しさを訴え、イルカ達を保護しようと活動している。なんともやり切れない話だ。

このピンクイルカの話を聞いて、1本の映画を思い出した。マイク・ニコルズ監督のイルカの日という映画だ。主演のイルカを研究する科学者はパットン大戦車軍団のジョージ・C・スコットが演じていた。ジョージ・C・スコットは社会派の映画で活躍された名優だ。パットン大戦車軍団ではアカデミー賞に選ばれたが、役者が演技で賞を争うべきでないという信条から賞を辞退した。役者に徹した映画人生を歩まれた人物だ。
ジョージ・C・スコット演じる科学者が、妻や研究員とともに孤島でイルカの高い知能について研究をしていた。特にファーと名付けられたイルカは博士の言葉を理解し、呼吸孔から空気を出し、博士をパー(パパ)と呼ぶほど成長し博士夫妻に愛されていた。やがて政府機関が知能の高いイルカの存在を嗅ぎ付け、博士のスポンサーである財団を介して圧力をかけはじめ、ついには博士が留守の隙を狙いファーとファーの奥さんイルカのビーを連れ去ってしまった。やがて、博士はファーとビーがある組織の陰謀に利用されようとしていたことを知る。大統領の船に爆弾を仕掛け暗殺をしようとしていたのである。博士は逃げ出してきたファーにビーが暗殺の手助けするのを食い止め、ビーを連れ戻すように命じた。ファーはビーの行動を食い止め、爆弾を暗殺を指示した人物達が乗っている船に爆弾を仕掛け帰ってきた。
博士夫妻は、イルカ達に言葉を教え、イルカ達の心を傷付けたことを悔いて彼らを外洋に逃がす決意をする。海の遠くからパーといつまでも鳴くファーの声が聞こえていた。

映画のラストシーンに流れるジョルジュ・ドリューの曲は物悲しく切ないメロディーで素晴らしい。
映画はフィクションだが、身勝手な人間がイルカを傷付けることはノンフィクションである。
なんともやり切れない話だ。


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