見ていて頭に浮かんだ映像は「グラディエイター」。
凄まじい映像よりも生きる意義、使命感、生きた証について考えさせられる作品だった。
リドリー・スコットの凄さを再認識した。
全編、戦闘シーンが繰り広げられ、『プライベート・ライアン』かそれ以上の限界の恐怖を感じる映像に圧倒された。
徹底的にリアル且つ冷静に状況を捉えていく映像が凄い。
そういった迫力の映像にもうならされたが、その映像以上に感じたのは、仲間同士の絆、信念を持った使命感、生きる意義や証、勇気だった。
この映画決して戦争肯定も否定もしていないし、アメリカの行動が正しいと言っているわけでもないし、戦争の悲惨さをうったえている訳でもなかった。
誰一人として置き去りにするなと指示する司令官、遺体になっても命がけで連れ帰る兵士達、自らの命を顧みず救助に向かう戦友、傷だらけになりながらも仲間を救助するため戦地に戻る男たち。
何に突き動かされて彼らは進むのだろうか。男として人間として自分の信念を守るためだろうか。
かなり重いメッセージが込められていたと思う。
この映画を見て頭に浮かんできたのが『グラディエイター』である。時代も違いシチュエーションもまったく違うが、男として人としてどう生きたか、信念をもって戦った人間の生き様を描いた映画として、通じるものを感じた。
はっきり言って誰が取った作品であるかもチェックせず『エネミー・ライン』と同系列の映画と高をくくって借りてきたのだが、よくよく見ればリドリー・スコットの作品と知り、変に納得してしまった。
つくづくこの監督の力量を再認識させられた。
他の誰かが取っていたら、『U571』のような活劇路線になっていたか、『シンレッドライン』のような自己満足映画になっていただろう。
この監督好き嫌いはあるが、どのジャンルの作品においても強烈な何かを伝えてくる監督であることは間違いないと思う。
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