2010年2月27日土曜日

地上より永遠に



真珠湾攻撃が起こる直前である1941年のホノルル。
米陸軍の兵営にプルーイット=モンゴメリー・クリフトが配属される。
軍曹=アーネスト・ボーグナインに反発したことから、徹底的な嫌がらせを受けることになる。
彼が描いていた軍隊とは違う負の姿を目にすることになる。
彼の救いは人間的なウォーデン軍曹=バート・ランカスターや彼を慕うマジオ=フランク・シナトラであった。
ウォーデン軍曹も中隊長の妻カノン=デボラ・カーと密かに愛し合っていた。
やがてプリュウィットはクラブで働くロリーン=ドナ・リードと恋に落ちるのだが・・・。
『シン・レッド・ライン』や『史上最大の作戦』の原作者であるジェームズ・ジョーンズ作品の映画化。
本作は第26回アカデミー賞の8部門を制覇した。(作品賞/監督賞/助演女優賞/助演男優賞/脚本賞(脚色)/撮影賞/編集賞/録音賞)

私がドンパチでない戦争映画を目にした最初の作品。
この作品の素晴らしさと比べて、同じ原作者でありながら『シン・レッド・ライン』の出来具合には唸ってしまう。
さすが、ジンネマンということだろうか。
アーネスト・ボーグナインが得意の徹底的な悪役。
苛めて苛めて苛め抜く彼の非人間的な行動に絶えられなくなる主人公たち。
この映画、モンティもシナトラもバートランカスターも素晴らしいが、成功させたのはきっと彼と彼を起用したジンネマンなんだろう。
それにしてもこの映画の素晴らしい出来に比して『シン・レッド・ライン』のあの単調で何も訴えかけないできはどうしてなんだろう。
映像の美しさだけを強調しすぎて人間描写が薄っぺらいことが一番の要因だと私は思う。

アーネスト・ボーグナインは1917年生まれで2010年現在で93歳でご健在である。
厳つい撫男の悪役が多く、B級から名作まで多くの作品に出演された。
心優しい独身男性を演じたマーティーでは、アカデミー賞も受賞された。
Wikipediaに掲載されている主な出演作を見てもその幅の広さを実感する。

地上より永遠に From Here to Eternity (1953)
大砂塵 Johnny Guitar (1954)
マーティ Marty (1955)
去り行く男 Jubal (1955)
日本人の勲章 Bad Day at Black Rock (1955)
バラバ Barabba (1961)
飛べ!フェニックス The Flight of the Phoenix (1965)
オスカー The Oscar (1966)
特攻大作戦 The Dirty Dozen (1967)
ワイルドバンチ The Wild Bunch (1969)
冒険者 The Adventurers (1970)
ウイラード Willard (1971)
ポセイドン・アドベンチャー The Poseidon Adventure (1972)
北国の帝王 Emperor of the North Pole (1973)
魔鬼雨 The Devils Rain (1975)
王子と乞食 Crossed Swords (1977)
アリ/ザ・グレーテスト The Greatest (1977)
コンボイ Convoy (1978)
西部戦線異常なし All Quiet on the Western Front (1979)
世界崩壊の序曲 When Time Ran Out... (1980)
インキュバス 死霊の祝福 Deadly Blessing (1981)
ニューヨーク1997 ESCAPE FROM NEW YORK... (1981)
ダーティソルジャー野良犬軍団 HIGH RISK (1981)
ガタカ Gattaca (1997)
スモール・ソルジャーズ Small Soldiers (1998) - 声の出演

彼のような脇役がいるから映画は成り立っているのだ。



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