「更正とは技術を身につけることではなく何かに気づくこと。」
それが本当の幸福なんだな。
エッジフィールド更生刑務所に収容されている囚人たち。
皆、殺人や凶悪な罪を犯した人達である。
この囚人たちを構成させるため、所長が命じたのはガーデニングであった。
大会を目指し、ガーデニングに励む囚人たちの中で何かが変わり始める。
この映画に登場する囚人たちは皆殺人や強盗といった重罪を犯した過去を持つ身。
そのことを悔いているか悔いていないかは直接表現されない。
しかし、彼らが植物を育てる喜びに出会い、命を育む喜びやその尊さに気づく。
それが真の意味の更正だと思った。
社会復帰したときのために技能を身につけることはもちろん重要なことだが、その前に大事なことはこういうことなんだと感じた。
映画では過去に犯した罪を殊更取り立てて描いていなかったが、弟殺し、妻殺しのその罪の重さを思うと身も凍るような犯罪であるはず。
そういう人たちが人間として更正するというその重みはすごいことだと思う。
如何に気づくことや気づかせることが大事か。
こういう試みは日本の刑務所や少年犯罪者の施設でも取り入れてほしいものだ。
こういう気づくということは私たちの人生でも同じようにどのタイミングで求めていたものを見つけられるかが、人それぞれに違うということなんだろう。
色んなことに気づくことで何が幸せか何が不幸であるのかが分かるような気がした。
この映画や『リトル・ダンサー』、『ブラス』などこういう良質で人間味のある作品が最近のイギリス映画は特に多い。
こういう作品は大歓迎。
今後もこういう映画に出会えることを期待したい。
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