2010年2月26日金曜日

マリと子犬の物語



新潟・中越地震での実話をベースにしたフィクションだ。

物語は、山古志村に暮らす少女が子犬を拾ってきたことから始まる。少女はお兄ちゃんとお父さん、おじいちゃんと暮らしている。お母さんは少女が物心つくまでに亡くなっていた。お父さんは犬嫌いだったが、お父さんもお母さんもいない子犬を不憫に思う少女の優しい気持ちを知り、子犬を飼うことを許す。子犬はマリと名付けられ、楽しい日々が続き、マリにも3匹の子犬ができていた。
そして、運命の日が訪れ、この一家とマリに試練の日が始まる・・・

これ以上、詳しくは書けないが、少女とマリを通して家族の絆、山古志村の人達の悲しみや心の繋がり、希望を捨てない前向きな気持ちの大切さを描いた心優しい映画である。長い期間に渡り、困難に立ち向かわれている被災者の方々への応援作品でもある。

少女とおじいさんを必死に助けようとするマリ。マリを連れて避難出来なかったことを悔いるおじいさん。被災者を命懸けで救助する自衛隊員。妹を勇気付け、行動する兄。家族を支え、山古志村の人達を支え続けるお父さん。不幸な出来事に戸惑いながらも支え合う山古志村の人達。
深く傷つき、先が見えない厳しい状況の中で人のことを思いやる人間の素晴らしさに感動する。

少女と子犬やシチュエーションは確かにフィクションだが、描かれている世界は実際に山古志の人達が体験されたことに基づく実話である。

本来、人は優しく、勇気を持って前向きに生きるものだと思う。秋葉原で大勢の人を殺傷した犯人や血まみれになって倒れている人の横で携帯で写メールしていた非常識な人達も同じ人間だが、そういう人達はごく一部だと信じたい。
自分が同じ状況でないから心苦しいが、東北でも大勢の人が困難に苦しまれておられるが、山古志の人達のように諦めず立ち向かって欲しいものだ。

主役の二人の子供達やマリ、船越さん、宇津井さん、高島さんをはじめとした出演者の皆さんや映画の制作に関わった人達の心が伝わってくる素晴らしい映画だった。まだ、ご覧になっていない方は是非観ていただきたい。


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