2010年2月27日土曜日



コスタ=ガヴラス監督がギリシャで起きた暗殺事件を題材に軍事政権の謀略を描いた社会派ドラマ。
Zは冒頭に暗殺される革新政党の党首であり、イブ・モンタンが演じている。
この事件を究明していく判事にジャン・ルイ・トランティニアンといった渋いフランス俳優が共演している。
徹底的にリアルな映像でスリリングな展開でまとめられたこの作品は、アカデミー外国語映画賞をはじめカンヌなど幾つかの賞を受賞した。

存在感のモンタンとクールなトランティニアンでなければこの映画は成功しなかっただろう。
監督の故国で起こった政治的な暗殺事件が題材でいかにも重苦しくて退屈そうな映画と思ってしまうのだが、この映画、あれよあれよという間にラストまで引っ張っていかれる。
監督の手腕によるものだが、モンタンやトランティニアンがギャラ度外視で参加するほどの入れ込みが作品にあったことが重要だと思った。
彼らでない誰かがやってもこんなにはならなかっただろう。
アメリカ映画の脳天気さもいいけれど、こういう雰囲気の映画はできないだろうな。


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