2010年2月27日土曜日

アポロ13



1969年7月20日、宇宙飛行士ニール・アームストロングおよびバズ・オルドリンがアポロ11号で月面に着陸した。
続くアポロ12号も1969年11月14日に着陸し、アポロ計画自体が政治家や国民から飽きられて来ていた頃、14号に乗る予定だったジム・ラベルは、13号のクルーの病気で急遽任務を任されることになった。
そして、運命の1970年4月11日にアポロ13号は月を目指して発射された。

アポロ13号は、月に向かう軌道上で機械船の酸素タンクが爆発するという最悪の事故に遭い、月着陸を断念するが、NASAの技術者や管制官の努力と優れた危機管理能力で無事生還を果たすのである。
この映画は、事実に即しながらロン・ハワード監督が綴った人間ドラマである。

まずは配役が素晴らしい。
船長ジム・ラベルにはトム・ハンクス
クルーのフレッドをビル・パクストン
風疹の疑いで任を解かれ地上でバックアップする操縦士ケンをゲイリー・シニーズ
ケンの代わりに乗船した操縦士ジャックをケヴィン・ベーコン
地上の管制官を指揮するフライトディレクターのジーンにエド・ハリス
と、個性的で芸達者な面々が配役されている。
それぞれの役回りでそれぞれが見事な演技と存在感。
特に指揮するエド・ハリスのボス役や、地上でバックアップするシニーズが頼りがいがあってかっこいい。
宇宙船の中も細かく描写されているが、話が複雑にならずわかり易く緊迫感がストレートに伝わってくる。
様々な問題やトラブルが、これでもかこれでもかと振りかかってくるが、多くのスタッフの努力と優れた指揮官の判断で生還を果たす。
これが、実際にあった出来事だと思うと、NASAの力って本当に凄いものだと実感させられる。

この後、14号から17号まで4度の月着陸に成功し、アポロ計画は有人宇宙ステーションであるスカイラブ計画に移行した。

アポロ11号が月に着陸したのが、小学3年生の頃。翌年の大阪万博で月の石を見に行った。
打ち上げの時は、日本でもずっとテレビ放送され、同時通訳で「こちらヒューストン・・・」という言葉を何度も耳にした。
あれから40年たった今、日本の飛行士がスペースシャトルに搭乗する時代になった。
スペースシャトルでも事故があったが、命がけで取り組んだ人達の積み重ねで今の姿があるのだなと、実感する。

ドキュメンタリーとしてもスペクタクルとしても、よく出来た作品である。



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