2010年2月28日日曜日

十二人の怒れる男



ニューヨークの法廷で殺人事件の審理が終わり、12人の陪審員に表決を委ねられた。
被告は17歳の少年で、飛び出しナイフで実父を殺した容疑がかけられていた。
夏の暑い日で、陪審室は蒸しかえっていて、皆早く評決を済ませ家に帰りたがっていた。
しかし、1回目の評決は11対1となり、全員一致に至らなかった。
無罪は第8番ただ1人。
彼は小さな疑問が引っ掛かり、有罪の判断がくだせずにいた。

フォンダの投げかけた疑問にぐいぐい引き込まれ、あっという間にラスト・シーン。
陪審員制度の恐ろしさが伝わってきた。

この映画では、疑わしきは罰せずの原則で無罪にはなったが真実はわからない。
しかし、フォンダのような陪審員がいなければ有罪。
真実は闇の中であり、少年の運命は彼たち陪審員に委ねられている。
フォンダが一つ一つ疑問点を確認し、徐々に陪審員達の考えに変化がみえ始める。
説得力あるフォンダの演技でぐいぐい引き込まれていった。
陪審員の面々も個性豊かな俳優がそれぞれのキャラクターをうまく演じていた。
社会派ドラマであり、戯曲であるこの作品は役者達の名演とシドニー・ルメットの手腕により素晴らしい作品になっている。



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