2009年12月28日月曜日

ガメラ





怪獣と言えば?と聞かれると大抵はゴジラと答えるだろう。
確かにゴジラ・GODZILLAはビッグネームだし、海外でも知られる大スターだ。私も子供の頃は夏休みになれば必ずその勇姿を観るために映画館に行ったものだ。
そんなゴジラには及ばないかもしれないが子供達が大好きだった怪獣がいる。
ガメラである。
ガメラは名前のとおり、巨大な亀の怪獣である。
映画に登場したのは1965年。ガメラは北極の氷の中から目覚めた。最初はゴジラと同じように人間の脅威として現れたモンスターだったが、やはりゴジラ同様子供達の味方として凶悪怪獣と戦うヒーローに変わっていった。

私が一番印象に残っているのは、ガメラ対ギャオスだ。
場所は福岡県。ギャオスは人を襲う吸血怪獣で日光に弱いというドラキュラのような怪獣だ。三角の頭に釣り上がった目。蝙蝠のような翼で空を飛び、人々を襲う。口からは超音波の光線を放ち、どんな物もスパッと切り裂いてしまう。そもそも、超音波の光線というのが変だが、それはおおらかに割り切って、自動者が真っ二つに切り裂かれたりして、そのインパクトは凄かった。
その光線でガメラの手がスパッと切られるのを見て、子供達は必死にガメラを応援した。ガメラの手から緑の血が流れる映像は、子供向け映画の割には結構バイオレンスだったように思う。
大人になって思うが、日本人はこんな風に子供の頃から抑圧されてたまったフラストレーションを最後の最後に解き放って得るカタルシスに弱いように育てられていたんではないだろうか。

ユーモラスな形に似合わず、頭と足を甲羅に収めてジェット噴射で回転しながら空を飛ぶ姿は子供達にも人気があった。あの飛行スタイルは、ガメラのトレードマークにもなっている。

大映が倒産後も徳間や角川がガメラシリーズを作り続け、平成になってからも数本の作品が公開されている。
最近では、パチンコ台にもなり、今だに日本人というか、私のようなおじさん達に愛されている怪獣である。

私もたまに♪月月火火木金金♪つよいぞガメラ、つよいぞガメラ、つよいぞガメラ〜なんて口ずさんでしまう。
何故かこの年の瀬にそんなことを思った。


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2009年9月30日水曜日

オールスター

雨が降っている。
雨が降る毎に温度も下がり、秋が深まるのだろうか。
それにしても、この秋は暖かい。まだ、半袖の人も少なからずいる。
秋らしい秋は短いまま、冬になりそうだ。

映画の楽しみといえば、アクションを観てスカッとしたり、コメディで大笑いしたり、ラブストーリーでポワ〜となったり、映画によって様々な楽しみ方があるが、大好きなスターが大勢登場するオールスター作品もまた楽しい物だ。
あの人もこの人も出ているというのは、映画の筋云々ももちろん大事だが、スターを観ているだけでも嬉しくなるものだ。
頭に浮かぶオールスター作品というとこんな作品がある。

古い作品だが、オールスター物というとやっぱり『史上最大の作戦』だろう。
この映画は第二次世界大戦で連合軍がフランスのノルマンディに上陸した所謂ディーデイの戦いを描いた戦争映画だ。ロバート・ミッチャムやジョン・ウエイン、ヘンリー・フォンダ、エディ・アルバート、リチャード・バートン、クルト・ユルゲンスなどビックスターが総登場した。当時まだ無名だったショーン・コネリーなども登場しており、うっかりするとお気に入りのスターを見逃してしまうほどだ。当時40億円を掛けて作られており、金額的にも史上最大の映画だった。この映画の監督は複数いるが、筆頭は『素晴らしきヒコーキ野郎』のケン・アナキンだ。この手の映画は、普通の映画以上にリーダーシップが必要なんだろう。ジョン・ウエインやミッチャムなど錚錚たるスターを仕切れるなんて、誰でも出来ない能力だ。
因みに現題は『The Longest Day』と素っ気なかったので、水野晴朗さんが『史上最大の作戦』という邦題を付けられ大ヒットした。


この映画から大分と後年だが、やはり第二次世界大戦で決行された大作戦であるマーケット・ガーデン作戦を描いた『遠すぎた橋』がオールスターで映画化された。オランダやドイツに空挺部隊が降下し5つの橋を占領し、ドイツ軍の補給路を絶つ作戦だったが、苦戦を強いられ長期化した。後年、大きな失敗だったと言われている作戦である。
こちらも出演者は超豪華だ。ロバート・レッドフォード、ジーン・ハックマン、ローレンス・オリヴィエ、エリオット・グールド、マイケル・ケイン、ショーン・コネリー、アンソニー・ホプキンスなどなど。それに加え、ドイツ軍役ではドイツの将校役の定番であるマクシミリアン・シェルやハーディー・クリューガーが出演している。
監督はリチャード・アッテンボローと凄い布陣で大金を掛けて作られたが、やはり失敗した作戦を映画だったからか、映画も期待以上のヒットには至らなかった。


オールスターと言えば、忘れてならないのはジョン・スタージェスだ。『荒野の七人』や『大脱走』を撮った監督だ。『荒野の七人』では、ユル・ブリンナー、スティーブ・マックイーン、ロバート・ボーン、ジェームズ・コバーン、チャールズ・ブロンソン、イーライ・ウオラックなどのスターを使い、黒澤明の『七人の侍』を見事に娯楽作品として西部劇にリメイクした。更に『大脱走』では、リチャード・アッテンボロー、スティーブ・マックイーン、ジェームズ・ガーナー、チャールズ・ブロンソン、ジェームズ・コバーン、ドナルド・プレザンス、デビッド・マッカラムなど、やはり豪華なスターで第二次世界大戦で実際にあったドイツの捕虜収容所からの大脱走を描き、大ヒットした。多くの登場人物を際立たせ、個々のエピソードも生かしながら幹のストーリーを進めて行く技術は凄いの一言である。


パニック映画もオールスター物が多い。映画が華やかなるし、パニックのスケールも大きく感じる。『大空港』から始まる『エアポート』シリーズなどが良い例だろう。主役のディーン・マーチンやチャールトン・ヘストンが活躍し、周りを豪華なスターが固めていた。シリーズでは、機長役にジャック・レモンやアラン・ドロンも主演しており、作品の出来はさておいても華やかな作品である。
忘れてならないのは、シリーズを通して、ジョージ・ケネディが出演していることだ。シリーズとはいいながら、ストーリーは全く別物で、ジョージ・ケネディの役どころも別だけど、エアポート名物となっている。


パニック物では、アーウィン・アレンの制作した作品も華やかだ。
『ポセイドン・アドベンチャー』では、ジーン・ハックマンやアーネスト・ボーグナイン、レッド・バトンズ、シェリー・ウィンタース、ロディ・マクドウォールなどなどが出演したし、『タワーリング・インフェルノ』では、ビックスターのマックイーンとポール・ニューマンが共演している。『タワーリング・インフェルノ』は、脇役も豪華で、ウィリアム・ホールデン、ロバート・ボーン、リチャード・チェンバレン、フェイ・ダナウェイ、ロバート・ワグナー、ジェニファー・ジョーンズにフレッド・アステアまでが出演している。


という訳で、オールスター作品は、華やかで楽しい作品が多いが、吹き替え版も、また楽しい。
マニアックな楽しみ方ではあるが、吹き替えの声優もやはりオールスターになるからだ。

という訳でオールスター作品は楽しい物である。


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2009年9月22日火曜日

マット・デイモンって面白い

この週末にマットデイモン主演の『ボーン・アルティメイタム』を観た。お馴染み大ヒット作ジェイソン・ボーン シリーズの三作目である。今まで三作目はどうなのかと勝手に思い込んでいるところもあり、見なかったのだが、なんとなくTSUTAYAで目に留まり観たくなった。
結果はというと、大変スピーディな展開でアクション満載、申し分ない出来上がりだった。主役のマット・デイモンの精悍さが今回も画面に溢れていた。いやはや、凄いの一言である。
このマット・デイモンだが、頭も良くってハーバード大学の出身である。映画の世界に入って、幼なじみであり親友のベン・アフレックと『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』の脚本を書いて、アカデミー賞ももらった才能のある俳優さんだ。
『レインメーカー』など好きな作品も多いが、なんと言っても彼の雰囲気が大好きだ。そこらの気の良いおにいちゃん風なんだけど、やることは超一流というのが素晴らしい。
という訳で、ネットで彼のことを色々調べていたら面白いものを見つけたので紹介したい。

アメリカのトーク・ライブ番組で『Jimmy Kimmel Live!』という番組があって、ホストのジミー・キンメルはマット・デイモンの友達だそうだ。そんなこともり、キンメルは番組でよくマット・デイモンのことをからかっているらしく、いつも番組の最後に「マット・デイモンには悪いが時間が来てしまった。」とお決まりのジョークを言ったりしているそうだ。ある日、初めてマット・デイモンがゲスト出演したのだが、キンメルが彼の経歴を事細かに説明したものだから、時間がなくなって肝心のトークが出来ずにマット・デイモンが怒り来るってスタジオを後にしたそうだ。これもマット・デイモンも洒落っ気で、本当は楽しんでいたそうだ。
そんなやり取りが合って、キンメルの恋人であるサラ・シルバーマンがゲスト出演したとき、シルバーマンが告白することがあるといってこのビデオクリップを見せた。これが、笑えるのだ。
そのビデオがこれだ。




もちろん、マット・デイモンの悪ふざけなんだけど、かなり笑えるビデオクリップだ。
そこで、この仕返しにキンメルが作ったビデオクリップが更に笑えるのだ




このビデオ、ぼけっと観ていると損をする。ベン・アフレック以外にハリソン・フォード、ブラッド・ピッド、キャメロン・ディアスにロビン・ウイリアムスと豪華な面々がのりのりで登場する。
ハリソン・フォードがちょこっと出るシーンなんかお腹抱えて笑ってしまった。

良いなあ、マット・デイモン。


2009年9月14日月曜日

B級?

秋晴れ。
風も心地良い朝だ。
台風が来るらしく、これからは下り坂だそうだ。

映画には、アカデミーやカンヌに登場するような作品もあれば、低予算のインディーズ系の作品もあるし、大ヒット映画の二番煎じの作品もある。
大作と呼ばれながらとんでもない作品もあるし、低予算だから悪いという訳でもない。もちろん資金が豊富であることに超したことはないが、結局は中味の問題である。
低予算で無名の監督、無名の俳優を使い、分かりやすい娯楽作品を作るとB級作品と呼ばれることが多い。
ビデオショップに行くと流行の映画をもじったタイトルに似たジャケットの作品を目にする。『ジュラシック・パーク』がヒットした時なんかは、ジュラシックなんちゃらというタイトルの作品がたくさん並んだし、『エイリアン』や『バイオハザード』なんかも類似タイトルがずらりと並んでいた。安易な発想だが、それなりに需要があるのだろう。だけれども、大概は期待を裏切る出来栄えだ。
タイトルから見ても、これは絶対にB級だと分かる作品もある。『死霊の盆踊り』、『ドラゴン対アマゾネス』、『クイーン・コング』なんて、良い例だ。死霊と盆踊りなんて発想自体、呆れるを通り越して感心してしまう。『クイーン・コング』はギリシャ映画だったと思うが、内容もかなりひどかったが、声優界の超ベテランの広川太一朗さんと小原乃梨子さんが吹き替えれば面白くなるかと実験的な要素を謳い文句に、吹き替え版だけを公開したことがある。結果は、さすがのお二人でもどうにもならなかった。
そんなB級作品と呼ばれる作品の中にもキラリと光る作品はあり、その後に大きな作品を手掛けたり、大スターが生まれることもある。
有名なのは、『トレマーズ』という地中に潜むモンスターと人間が戦う娯楽作品だ。この映画の主人公が、どんな役でもこなすケビン・ベーコンだ。監督は、『愛が微笑む時』や『シティ・スリッカーズ』のロン・アンダーウッド。
まず、話のテンポが良く、地中に潜むモンスターと人間がどう戦うかという単純なテーマなので、ストーリーが非常に分かりやすい。
個々のエピソードも良く考えて作られていて、地中のモンスターが振動を感じて襲って来るという設定が効いている。
登場人物も、皆個性的で良い味を出している。中でも兵器マニアの夫婦が自宅の地下室からあれやこれやと武器を持ち出し、ランボー張りの活躍をするのが楽しい。
そもそも、地中のモンスターというのが、B級ならではのアイディアだ。地表に顔を出すのはわずかだから、予算も抑えられるし、逆に姿が見えないスリルが味わえる。
笑えるシーンも多く、それなりにスリルもあって、これぞ娯楽作品という素晴らしい作品だ。
変な言い方だが、B級中のB級と呼べる作品だ。
同じ様に徹底した娯楽作品には『グリッター』という作品もあるが、やはり分かりやすく、テンポもよく、キャラクターが立っていて、面白い。金ばっかり掛けて、作者の独りよがりの作品なんかと比べると、こういう作品の方が断然面白い。観ている人は、極々普通の人だということを忘れ、分からない奴が悪いというのは、作者の傲慢である。如何に観客を楽しませるかに軸足を置くことを一番に考えているのが、このロン・アンダーウッド監督だ。
セリーズ・シャロン主演のキングコングのベースとなる『猿人ジョー』を題材とした『マイティ・ジョー』、4人の幽霊の思い残したことをロバート・ダウニーJr.が叶えていくハートフル・コメディ『愛が微笑む時』、都会に疲れた男達が荒野を旅する『シティ・スリッカーズ』など、どの作品も娯楽に徹底し、必ず笑いもあり、ハートフルな映画なら必ず涙するような場面も用意している。何よりも好きなのは、皆ハッピーエンドなのだ。
作品数が少ないのが、唯一残念なことである。

B級だと侮るなかれ。
中には彼のようなダイヤモンドの原石もいるのだから。


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(=^・^=)kinop

2009年9月8日火曜日

リオッタとペシ

今朝も日差しは強いが、空気はひんやりしている。
半袖のシャツも後もう少しかな。

映画スターには、レッドフォードやマックイーンのようなかっこいいヒーローもいれば、脇役とは言わないが強烈なキャラクターが持ち味の役者もいるし、毎回カメレオンのように役柄に合わせてキャラクターを変える役者もいる。
強烈なキャラクターといえば、どんな役者さんがいるだろうか。

レイ・リオッタなんかは、そういう役者の名優だろう。濃い顔であるが、どちらかといえば男前の部類である。ところが、彼の目はどこか虚ろで違う世界にいる。自分の内にあるルール以外は存在しない偏執的な人間を演じさせたらピカイチである。
『不法侵入』の警官や『乱気流タービュランス』の連続殺人犯なんて、その典型だろう。そういう人物を演じていると知って観ていても、ゾッとしてしまう。

レイ・リオッタと『グッド・フェローズ』で共演したジョー・ペシも強烈だ。『グッド・フェローズ』では、異常にテンションが高くかっとなると銃を撃つ。食事をしてようが、飲んでいようが、お構いなしだ。しかし、仲間や母親には優しく二面性があり、常に危うい空気を出している。結局は、その性格が災いして命を落とすことになるが、ペシにしか出来ない狂気は圧巻である。
ペシが凄いのは、狂気を演じるだけでなく、コメディも演じれるところだ。『リーサル・ウエポン』シリーズのレオ役が有名だが、お勧めはマリサ・トメイと共演した『いとこのビニー』である。この映画では、ラルフ・マッチオが田舎町で強盗殺人犯に間違われ、弁護士になったと聞いていたいとこのビニーに助けを求めるのだが、黒い皮ジャンにブーツを履き、マリサ・トメイ演じるイケイケねえちゃんの彼女を連れて現われる。見た目は街のあんちゃん、ねえちゃん。そんな二人が事件を解決していくのが楽しい法廷劇の秀作だ。
単なるドタバタでない証拠に、マリサ・トメイは素晴らしい演技でアカデミー賞の助演女優賞を受賞した。
コメディのペシは、いたって真面目に行動する人物を演じていて、無暗におどけたりすることもなく常に真剣だ。それが周りからずれているなんて気にしない。だから、そのギャップが観ていておかしいのだ。
笑わない目。それは狂気を演じてもコメディに出演しても変わらない。

まだまだ、こういう役者はたくさんいる。『ミシシッピー・バーニング』でFBI捜査官を演じたウィレム・デフォー、『コン・エアー』や『スパイ・キッズ』など多くの映画に登場したダニオ・デルトロなどなど。彼らを個性的な役者と言ってしまうのは簡単だが、それぞれの持ち味は全く違うし、彼らにしか出せない魅力も大きい。

今夜は『いとこのビニー』でも観ようかな。

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(=^・^=)kinop

2009年9月7日月曜日

ナチュラル

今朝も秋晴れ。
というか、少し暑い。
夏が悪足掻きしているみたいだ。

『明日に向かって撃て』や『スティング』のロバート・レッドフォードが70歳を超えたと聞くと、自分も歳をとったと実感する。
ポール・ニューマンやスティーブ・マックイーンもそうだが、彼もまた悪役が出来ない俳優だ。
レッドフォードはどこをどうしても、かっこいいからだ。ファンの誰もが彼の汚れ役や悪役なんか観たくもないと思っている。
永遠にブロンドヘアーにブルーの瞳のレッドフォードが颯爽と活躍する姿を観たいのだ。

かつて、マックイーンはスピルバーグに『未知との遭遇』の出演を懇願されたそうだ。しかし、マックイーンは脚本に涙するシーンがあったため、「良い映画だが、涙する役は演じられない」と断ったそうだ。
ブラッド・ピットは、二枚目の好青年のイメージが定着するのを嫌い、テリー・ギリアム監督の『12モンキーズ』では精神を病んだ異常者役に挑んだ。だが、ファンが望むのは、やはりかっこいいブラピだろう。
ハリソン・フォードも『ホワット・ライズ・ビニーズ』で珍しく悪役を演じた、幾ら悪いことをしても悪人には見えないまま、映画は終わってしまった。

役者には様々なタイプがいて、彼らはヒーローでなければならない役者だろう。
彼らが望む望まないに関係なく、ファンはそう思っている。

そういう意味で『ナチュラル』はやり過ぎと言ってもいいほど、バリー・レビンソン監督が、レッドフォードが如何にかっこいいかを主題に作った映画だ。

レッドフォード演じる主人公ロイ・ハブスは、メジャーリーガーの試験を受けるため、愛する女性グレン・クローズに成功を誓い旅に出る。しかし、精神を病んだ女性に自殺の道連れとして銃で撃たれ、メジャーリーガーに成らぬまま16年の歳月が流れた。
弱小球団ニューヨーク・ナイツにスカウトされた時は40歳間近、監督もお荷物と決め付け、バッティング練習もさせない有様だった。
しかし、ハブスのメジャーリーガーとして活躍する熱い思いは消えることなく彼の中で燃え続けていた。
そんなある日、主力選手の不甲斐なさに腹を立てた監督が、ハブスにバッティング練習を命じた。誰にも期待されることなくバッターボックスに立つハブス。
しかし、ピッチャーが投げる球を軽々と柵越え。それも何発も続け、彼の実力を知らなかった監督を驚かせた。
4番の選手が外野フェンスに激突死したことも重なり、遂にハブスはメジャーリーグの4番として活躍する。
ハブスの活躍に刺激され、戦意喪失ぎみだった選手達も活躍し、快進撃が始まった。
しかし、監督がオーナーを兼ねているチームは優勝しなければ、今シーズン限りで大株主の判事に乗っとられる運命にあった。
優勝まであと一勝と迫った時、判事の指図でハブスが付き合っていた女性キム・ベイシンガーに薬が入った食べ物を飲まされ入院してしまった。更に判事はハブスに大金を渡し、試合に出場しなければ、過去の事件を公表すると脅しをかけた。
判事の工作で、ハブスは、また掴みかけた夢が手からすり抜けていくのかと落胆していた。
そんな時、故郷に残し球場で再開したグレン・クローズが現われ、ハブスに憬れる多くの少年達がいることや、ハブスが素晴らしい選手であることを告げる。
その言葉に消えかけた心の内にある野球への思いは燃えだし、今シーズン限りでの引退を決意して、病も癒えないまま最終戦に挑む。そうして迎えた最終戦。いよいよ彼の野球人生をかけたゲームが開始した。

と、浜村純じゃないが、これ以上は書くのをやめておこう。
とにかく、伝説と呼ばれる選手には、こういう逸話がなければならないというツボの全てを押さえた映画だ。

◆伝説のバット Wonder Boy
野球を愛し、息子に夢を持たせたハブスの父親が亡くなった時、庭にあった木に雷が落ちる。ハブスはその木からバットを削り出し、Wonder Boyという名と雷のしるしを焼き付ける。やがて、メジャーリーガーとなったハブスが、Wonder Boyを握りバッターボックスに立った時、空には雷鳴が響き、ボールを打ち潰す打球を放った。
それからハブスの活躍にあやかりたいチームメートは右袖に雷のしるしを縫い付け、いつの間にかチームのマークになってしまう。

クライマックスにもWonder Boyに絡んだエピソードが織り込まれていて、全編を通してヒーローはこういうものだということを描いている。
ある意味、臭いと思うほど徹底した演出だ。

色々考えずに感動したい人には打って付けの映画であることは間違いない。


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2009年9月1日火曜日

なぜDVDにならない?

暑い日もあるが、朝夕は涼しくなり、秋の空が広がるようになってきた。
今日も空には雲がほとんどない快晴だ。

私が映画にのめり込んだのは、中学生の頃である。
親父が連れて行ってくれた『ポセイドン・アドベンチャー』という海洋スペクタル作品を観たことがきっかけである。
それまでも、テレビで映画は観ていたし、小学生の頃は、ゴジラや何やと映画館に行ったこともあった。
だが、映画館の大きなスクリーンで、迫力ある大音響で本格的なスペクタルは観たことがなかったから、『ポセイドン・アドベンチャー』を観たときの衝撃は、すごく大きかった。
大津波に飲み込まれ転覆するポセイドン号。大爆発とともに船が回転し、船底が海上に姿を見せる。大広間では、新年を祝う人達が転げ落ちる。
それまで観た映画とはスケールも迫力も違い、本当に驚いたし、映画の魅力を感じた。
それ以来、映画は大好きだ。

その頃は、ビデオなんて物はなかったから、テレビで観る映画も、その時に観なければ次はいつ観れるかは分からなかった。
特に小品ながら良い映画は、再放送される可能性も低くて、大人になってもまだ観れていない作品も多い。
そういう作品はたくさんあったが、特にお勧めの映画を紹介したい。
まあ、紹介されても観る術がないから、困ったものだが、タイトルだけでも覚えておいてほしい。

・パリのめぐり逢い
クロード・ルルーシュ監督とフランス・レイ音楽の大人のラブ・ストーリーだ。
出演は、イブ・モンタン、アニー・ジラルド、キャンディス・バーゲン。
セリフのないシーンで見せるモンタン、ジラルド、バーゲンの表情が素晴らしく、フランシス・レイの音楽とあいまって何とも言えないかっこよさが良い。
・さらば夏の日
『個人教授』のルノー・ベルレー主演の青春映画だ。
青年医師のベルレーが、彼女と弟と地中海を旅し、父との和解、魅力的な女性との浮気など様々な経験をし、彼女と別れ夏の日が過ぎ去っていく様子を描いた作品だ。
言葉で説明出来ない映画の雰囲気や味わいがある。この映画も音楽はフランシス・レイだ。
・流れ者
この映画もクロード・ルルーシュとフランシス・レイのコンビによる作品だ。
ただし、この作品はラブ・ストーリーではなくサスペンスである。
主演は『男と女』のジャン=ルイ・トランティニアン。偽装誘拐で大金を得ようと、仲間達と計画を実行するのだが、いろんな問題が起こりハラハラドキドキ。
テンポもよく、どんでん返しもあり、楽しい映画だった。
何よりお気に入りのトランティニアンが主演というのが嬉しい。
・テキサスの五人の中間
ヘンリー・フォンダ、ジョアン・ウッドワード、ジェースン・ロバーズなどが出演した一風変わった西部劇である。
銃の撃ち合いもなければ、酒場での喧嘩もない。年に一度のポーカーに成り行きで大金を賭けたフォンダが倒れて、妻のウッドワードが代わりに勝負するのだが...
この映画はストーリーを説明したら楽しめないから、ここまでで止めておくが、観たあとには呆気にとられるはずだ。
ジョアン・ウッドワードがすごく美しく、彼女を観るだけでも値打ちがある。因みにウッドワードはポール・ニューマンの奥さんである。

携帯だとこれが限界。
まだまだ紹介したい作品があるので、WEBの方で紹介しようと思う。

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(=^・^=)kinop

2009年8月24日月曜日

ガンマン

最近、朝が涼しくなってきた。
夏も終わりだなあ。


もうすぐしたら50歳の大台。まだ1年以上あるが、すぐそこまで来ている。
アラフォーならぬアラウンド・フィフティである。

電車に乗ると同世代と思われるおじさん達がたくさんいる。
おじさん達のスタイルでよく見掛けるのが、腰に着けたグッズの数々だ。
定番は携帯電話を収めるホルスターだ。大抵は右利きの人が多いので、右側に着けられている。
ガンマンの如く、掛かってきた電話を颯爽と取るわけだが、ガンマンと違いこのホルスターにはマジックテープが着いているから、「ジリッ」と音がしてから、取り外すので、早撃ちガンマンのようにはいかない。

もうひとつ、最近よく見掛けるのは万歩計だ。
最近の万歩計は、高機能でしっかり歩いた歩数だとか、消費カロリーや最近の平均歩数を表示でき、USBで繋げばパソコンでも管理が出来る。
最近の健康指向のためか、私の会社では、希望者に万歩計を配ってランキング表示している。
この万歩計が左腰にぶら下がる。正確に言うと、ベルトにクリップどめされて落ちないように紐をベルトかベルトホルダーに結んでいる。

いわゆる、二丁拳銃のガンマン・スタイルである。
休日になると、これにウエスト・ポーチが加わる。


思えば、子供の頃、オモチャの拳銃や刀を腰にぶら下げて、ヒーローの真似をしたものだ。同じ様な年代の人は、皆さん覚えがあると思う。

考えると仮面ライダーも腰のベルトがポイントだったし、チャンピオン・ベルトも腰に輝く。
男らしさは腰にあるのかも知れない。
何のこっちゃ。

今日も中年ガンマン達は、家族のため、闘いの戦場に向かう。


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(=^・^=)kinop

2009年8月19日水曜日

フォロー・ミー

少し前にBSで放送していた『フォロー・ミー』という映画を録画していたのを思い出し、観賞した。
この映画は若い頃に観て以来大好きな作品だが、ビデオ化もされず、DVDにもならなかった。
一言で言うと、とてもチャーミングな作品である。

この作品は、1972年に公開されたイギリスの作品である。
監督は、『第三の男』で知られる名匠キャロル・リード。脚本は、『アマデウス』のピーター・シェーファー。音楽は007シリーズでお馴染みのジョン・バリー。
主演は、『ジョンとメリー』や『ローズマリーの赤ちゃん』、『カイロの紫のバラ』のミア・ファーロー。ミア・ファーロー演じる主人公を尾行する変な探偵にはイスラエルの俳優トポルが演じた。トポルは『屋根の上のバイオリン弾き』でも知られる俳優だ。

世の中に純愛物語は星の数ほど出回っているが、この映画ほどピュアで心温まる映画はないと思う。
不治の病で主人公が亡くなるような悲恋物でもなければ、ドラマチックな巡り逢いを描いているわけでもない。
お互いに興味を持ち、楽しい恋愛期間を経て結婚した二人が、結婚したことでお互いを見失い、もう一度昔のような心の触れ合いを取り戻したいと願うお話だ。
それだけだと、何だか良さが分からないと思うが、映画全体の作り方がゆったりしていて、観ていると自分が微笑んでいるのに気付くはずだ。
上手く言えないが、そんな優しい気持ちになれる映画なのだ。

時代は1970年代前半。若者は新しい世界を求めて放浪するヒッピーが多くいた頃。ミア・ファーロー演じる主人公ベリンダもそんな自由な女性。インドを旅したり、友人の料理店を手伝ったり、自分のペースで生きていた。
公認会計士のチャールズは裕福な家庭で育った上流階級の紳士。
ベリンダは、チャールズの博識でウィットに富んだ会話や彼の思慮深い人柄を好きになり、チャールズもベリンダの自由でピュアな人間性と可愛い笑顔が好きになり、育った環境は違うがデートを重ね恋愛の末に結ばれる。
しかし、結婚生活を始めたら、以前はあんなに楽しかったのに、何をしてもパートナーの存在を感じ幸せだったのに、何故かチャールズの生活に馴染めない孤独感が顔を覗かせ出す。結婚したらどうして変わってしまうのか。好きなのに通じ合えなくなった男女。誰にでも起こるかも知れないお話だ。

映画では、心が触れ合うというのはこういうことじゃないかな、という感じで不思議な探偵クリストフォールを通して、そっと語りかけてくれる。
白いコートに白い帽子。浅黒い顔に口髭をはやし、人懐っこい顔をしたギリシャ人の探偵。ポケットにはいつもマカロンが入っていて、彼が持ち歩く白いカバンの中にも食べ物がいっぱい。探偵には似つかわしくない風貌。
彼は、チャールズの依頼でベリンダの素行調査を頼まれた探偵が大怪我をしたため雇われたピンチヒッターの探偵だった。
クリストフォールは、ベリンダの後を付けて、カフェや映画館を付いて周るのだが、元々探偵でもない彼の行動にベリンダが気付く。
いわゆるストーカーのような行為なのだが、クリストフォールの人柄がベリンダに伝わり、彼に恐怖を感じることもなく、ただ付いてくる彼を避けることもなくロンドンの街を歩き回った。
一定の距離を保ち、一切言葉を交わさない二人の不思議なデートが始まった。
最初の内は、ただ彼女の後を付いていたクリストフォールだったが、彼女に観せたいものを見つけたら彼が彼女の前に行ってリードするようになる。
ロンドンの下町にあるベーコン通りや鹿肉横丁といった変な名前の街を歩き、カフェに入ってピサの斜塔という名前の大きなパフェを食べ、博物館や美術館で絵画や彫刻を観賞し、公園の迷路を走り回りランチを取る。もちろん会話を交わすことはなく、顔の表情と身振りだけで気持ちを伝え合う。
クリストフォールがベリンダの前に立ってリードする時、彼はスクーターのミラーを手に持ち、後ろを歩くベリンダの顔を覗きながら歩くシーンが微笑ましかった。

ベリンダは浮気をしている訳ではなく、チャールズと心が通じ合えなくなった寂しさを紛らわすために街を彷徨っていただけであった。

ただただ、会話もなく二人が歩き回る光景を観ていると、観ている自分の顔が綻んでいることに気付く。

心の声を聞くことに言葉は要らない。ただ見つめ合って、相手のありのままの存在を感じることが大事なんだと映画はそっと語りかけてくれる。

ジョン・バリーの音楽がまた良くて、優しく心に触れる曲なのだ。
この映画については、最後まで見終わっても、時間がたつとまた観たくなる作品であり、人に薦めたくなる作品である。
だからという訳ではないが、結末を明かしてもこの作品の場合は良いように思う。

ここからは少し深読みだが、クリストフォールは二人の仲を心配した神様が送った天使がキューピッドという設定があったんじゃないかということだ。
まず見た目は全て白ずくめ、スクーターに至るまで白で徹底している。
調査をする予定だった探偵が大怪我したこともトポルの口からの説明で唐突だ。
こじつけるつもりはないが、そう思って観るとしっくりするのである。

映画の最後のシーン、テムズ川を行く船の上のベンチに腰掛けるベリンダが映される。
そして画面が切り替わると少し前の席に白い帽子をかぶったチャールズがマカロンを食べながら微笑んでいる。
ベリンダは、どうにか微笑むのを我慢している何とも言えない表情。
ジョン・バリーの曲が流れ、二人を乗せた船を俯瞰で写し出す。
エンドロール。

最後のシーンのベリンダが微笑みたいのを我慢している表情が最高だった。本当に嬉しい時はああいう顔になるんだろうなと思う良い表情だった。
先にも書いたが、最後の俯瞰の映像も高い空から見守っている存在があるように思え、やっぱりクリストフォールはキューピッドだったんじゃと思ってしまう。

色々と宣ったが、本当に良い映画だから観ていない人には絶対お勧めの映画だ。
ただ悲しいかなビデオにもDVDにもなっていないから、BSやCSの放送をこまめにチェックしてもらうしかない。
何でこんなに素敵な作品がDVD化されないんだろうか。それが謎である。


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(=^・^=)kinop

2009年8月10日月曜日

ドラキュラ

昨日から雨。
台風の影響のようだ。
夏休みをとっている人が多いのか、駅も人が少ない。
夏といえば、ヒヤ〜っとして涼を得ようと、お化け屋敷や怪談話など、ホラー・オカルトの類いが毎年取り上げられる。
お化け、幽霊、妖怪などなど様々、あの世の住人たちが活躍する訳だ。お化けにとっても掻き入れ時である。

これらモンスターの中でも一番メジャーなモンスターは、多分、吸血鬼だろう。吸血鬼でも、特にドラキュラ伯爵が有名だ。
ブラム・ストーカー原作のフィクション怪異小説を元に舞台や映画化され、ドラキュラの名前が知れ渡り、今となっては吸血鬼=ドラキュラとなっている。

吸血鬼・ドラキュラというと、誰でも特徴の大半を言えるだろう。

・顔は青白く、長身。
・黒い襟が立った長めのマントを羽織っている。
・昼間は棺桶で寝て、夜に活動する。
・吸血鬼に噛まれた人間もまた吸血鬼に変身する。
・日の光を浴びると灰になってしまう。
・ニンニク、十字架が苦手で、十字架に触れると焼けただれてしまう。
・聖水もドラキュラの弱点である。
・ドラキュラは人家には招き入れられないと入ることは出来ない。
・蝙蝠や狼に変身できる。
・流れる水を超えることは出来ない。
・白木の杭で心臓を指すと退治できる。
・ドラキュラはルーマニアのトランシルバニア地方の古城に住む、元貴族のモンスターである。
・ドラキュラの大敵は、イギリスの科学者であるバン・ヘルシング教授である。
・眼力で人を催眠状態にして操れる。

などなど、思い起こせば、たくさんの特徴が頭に浮かぶはずだ。良く練られたキャラクターだと思う。
噛まれたら感染し、治療法はないという元に戻れないという恐怖感が、ドラキュラの怖さであり、興味を持たれる要因でもある。
夜の帝王ドラキュラは、元貴族だけあって、ダンディで優雅。要するにかっこいいというのも人気の理由だ。実際に映画でも長身でスマートな人が演じることが多いはずだ。
そんなスーパーマンを無力な人間が苦労して退治する姿をハラハラしながら観るから面白いのだ。
基本的にゾンビも生ける屍であり、ドラキュラから派生したモンスターだ。元々は人間だったということが、やはり興味を持たれる理由だろう。
兎にも角にも、ホラー好きは皆大抵、ドラキュラが好きなのだ。

吸血鬼の映画はやたら多く、最近ならケイト・ベッキンセールのスタイリッシュな女バンパイアが登場するアンダーワールドや黒人俳優のウェズリー・スナイプスのブレイドが有名だろう。少し前には、ホモセクシャルな香りのする映画インタビュー・ウィズ・バンパイアでトム・クルーズとブラッド・ピットが共演した。
シチュエーションは様々だが、皆、先に上げたドラキュラの特徴をベースにしている。

と、様々な吸血鬼の映画はあふれているが、やはり定番であり、ドラキュラのイメージを定着させたのはクリストファー・リーだろう。アメリカ人ならベラ・ルゴシというかも知れないが、私はクリストファー・リー以外は考えられない。
長身で品があり、闇の恐怖を感じるリーの風貌はまさしくドラキュラに相応しい。このドラキュラと対峙する宿敵バン・ヘルシング教授といえば、やはりピーター・カッシング。
二人とも英国の俳優だ。

クリストファー・リーとピーター・カッシングは、低予算B級ホラーを制作していたハマープロでドラキュラを始めとした作品に出演していた。映画はB級、少ない予算でありながら、二人の高いレベルの演技で、最高の作品作りに取組んでいた。
カッシングもリーも舞台俳優であり、かのローレンス・オリビエ卿とハムレットの舞台に立ったことがある。カッシングにいたっては、オリビエ自身から認められていたそうだ。
カッシングは誰からも尊敬される温厚な紳士だったと聞く。
リーも知的な人物で、フランス語やドイツ語など数か国語を話し、演技が出来た。
この二人、映画の中では、ドラキュラとバン・ヘルシングと宿敵同士だったが、プライベートでは、親友同士だったらしい。

カッシングは晩年にスターウォーズの帝国軍の冷徹な司令官として登場し、リーもジェダイマスターとして登場した。同作品の共演はなかったが、二人が出演したと思うと感慨深いものがある。
カッシングは亡くなったが、リーはまだ健在でロード・オブ・ザ・リングなどで活躍している。

やはり、ドラキュラ映画はこの二人かな。

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(=^・^=)kinop

2009年8月5日水曜日

テキサスの五人の仲間


今朝は早く目が覚めた。
すっきり目が覚めたから、寝直すのも何なんで、起きることにした。
いつもよりも30分程度早くベッドを出た。

昨夜は、『テキサスの五人の仲間』という映画を観た。1966年のアメリカ映画だ。
主演は、今は亡きポール・ニューマンの奥さんであるジョアン・ウッドワード。共演が豪華で、ヘンリー・フォンダ、ロッキーのトレーナーのミッキー役でお馴染みのバージェス・メレディス、ジェースン・ロバーズ、チャールズ・ビックフォード、ポール・ワードなどが顔を揃えている。
この映画は西部劇であるが、拳銃で撃ち合うこともなければ、牛を追うカウボーイの姿もない。

西部のある町で、年に1回有名なギャンブラーが大金を賭けたポーカーをするために集まる。
映画の冒頭、葬儀屋のチャールズ・ビックフォードが馬車を走らせギャンブラー達を拾っていく。裁判中の弁護士、結婚式の真っ最中の花嫁の父など、何をしていようが、年に1回のポーカーのために皆馬車に乗っていく。
町では、ギャンブラー達を待つ人達が酒場に集まり、今や遅しと待ち構えている。
画して、五人のギャンブラー達が集まり、ポーカーが始まった。
そこに旅の途中の一家が通り掛かる。この夫妻がジョアン・ウッドワードとヘンリー・フォンダである。
一家は馬車の車輪を修理するために立ち寄っただけだが、ヘンリー・フォンダは大のポーカー好きで偶然であったポーカーの話を聞き、いても立ってもいられなくなってしまう。
不安がる妻に観るだけだと説得し、ポーカーを見学することになる。
ジョアン・ウッドワードは息子に見張りを頼み、馬車の修理に出掛けるのだが、フォンダは観ているだけで我慢できなくなり、ポーカーに参加してしまう。
最初は、農場を始めるために貯めた4000ドルから1000ドルを手をつけ、あっという間にすってしまい、とうとう残りの3000ドルにも手をつけてしまう。
ウッドワードが戻った頃には、ポーカーで残り500ドルをベット出来ずに困り果てているフォンダの姿を目にする。
フォンダは、ポーカーのショックで心臓発作を起こし、倒れてしまう。
フォンダの代わりに妻のウッドワードがゲームを続けなければ一家は破産する運命。
さあ、どうなるのか。
これ以上は映画を観てのお楽しみ。




詳しくは何も言えないが、この手の映画なら『スティング』より面白いと思う。
よく練られた脚本が秀逸で、最初のシーンも最後に生きてくる演出もにくい。
それにジョアン・ウッドワードがすごく美しく、西部の男達の中で光っていた。
原題は『A Big Hand for the Little Lady』で訳すると「可愛い婦人の大きな手」といったところだろうか。
『テキサスの五人の中間』という邦題もよく出来たタイトルで、見終わった後になるほどと思うはずだ。

悲しいかな、この映画はDVD化されていないし、ビデオも大分前に廃盤になっている。
CSで放送されたこともあるみたいなので、運が良ければ観れるかもしれない。
もしも、このタイトルを見掛けたら、是非観てほしい作品だ。

それにしても、良くできた娯楽作品なのに知名度の低さはどうしてだろうか。
DVD化してほしい作品の1つだ。(字幕なしのインポート版は、amazonで入手できるけど)

こういう映画を観たら、水野晴朗さんを思い出すなあ。

2009年7月28日火曜日

ゴールドスミス

今朝もどんより曇り空。
梅雨も後半になってから本格的になったようだ。

昨日は、エンニオ・モリコーネの音楽を聴きながら出勤したが、今日はジェリー・ゴールドスミスのフィルム・スコアを聴きながら出勤している。
ジェリー・ゴールドスミスは、生涯で170本以上の映画作品を手掛けた大作曲家である。
『猿の惑星』、『パピヨン』、『エイリアン』、『スタートレック』など数多くの作品に音楽を提供し、アカデミー賞には18回ノミネートされ、『オーメン』では受賞もしている。エミー賞でも5回受賞しており、長い期間に渡って年間6本のペースで作曲した。
『オーメン』のような恐怖を煽る旋律から『スタートレック』のような爽快感とスケール感にあふれた迫力のある曲まで、あらゆるジャンルの映画に素晴らしい音楽を提供した。
モリコーネも凄かったが、ゴールドスミスも半端じゃない。


『ブルー・マックス 』The Blue Max(1966年)
『電撃フリント/GO!GO作戦』Our Man Flint(1966年)
『猿の惑星』Planet of the Apes(1968年)
『パットン大戦車軍団』Patton(1970年)
『トラ・トラ・トラ!』TORA!TORA!TORA!(1970年)
『パピヨン』Papillon(1973年)
『チャイナタウン』Chinatown(1974年)
『風とライオン』The Wind and the Lion(1975年)
『オーメン』The Omen(1976年)
『ブラジルから来た少年』The Boys from Brazil(1978年)
『カプリコン・1』Capricorn One(1978年)
『エイリアン』Alien(1979年)
『大列車強盗』The First Great Train Robbery(1979年)
『アウトランド』Outland(1981年)
『スタートレック』Star Trek: The Motion Picture(1979年)
『ランボー』First Blood(1982年)
『ポルターガイスト』Poltergeist(1982年)
『トワイライトゾーン/超次元の体験』Twilight Zone The Movie(1983年)
『サイコ2』Psycho II(1983年)
『グレムリン』Gremlins(1984年)
『スーパーガール』Supergirl(1984年)
『スティーブ・マーティンのロンリー・ガイ』 The Lonely Guy(1984年)
『レジェンド / 光と闇の伝説』Legend(1985年)
『ロマンシング・アドベンチャー キング・ソロモンの秘宝』King Solomon's Mines
(1985年)
『ランボー/怒りの脱出』Rambo: First Blood Part II(1985年)
『ライオンハート』Lionheart (1987年)
『ランボー3/怒りのアフガン』Rambo III(1988年)
『リバイアサン』Leviathan(1989年)
『スタートレックV 新たなる未知へ』Star Trek V: The Final Frontier(1989年)
『トータル・リコール』Total Recall(1990年)
『グレムリン2 新・種・誕・生』Gremlins 2: The New Batch(1990年)
『ロシア・ハウス』The Russia House(1990年)
『氷の微笑』Basic Instinct (1992年)
『ミスター・ベースボール』"Mr. Baseball"(1992年)
『ルディ/涙のウイニング・ラン』Rudy(1993年)
『スタートレック ファーストコンタクト』Star Trek: First Contact(1996年)
『L.A.コンフィデンシャル』L.A. Confidential(1997年)
『エアフォース・ワン』Air Force One(1997年)
『ムーラン』Mulan(1998年)
『スタートレック 叛乱』Star Trek: Insurrection(1998年)
『スモール・ソルジャーズ』Small Soldiers(1998年)
『追跡者』U.S. Marshals(1998年)
『ハムナプトラ/失われた砂漠の都』The Mummy(1999年)
『13ウォーリアーズ』The 13th Warrior(1999年)
『インビジブル』Hollow Man(2000年)
『ネメシス/S.T.X』Star Trek: Nemesis(2002年)
『ルーニー・テューンズ バック・イン・アクション』Looney Tunes: Back in Action(2003年)


ランボーでも大統領でも掛かってこい、という感じだ。
最初にゴールドスミスの名前を知ったのは、親父に連れて行ってもらった『パピヨン』だ。『パピヨン』は、フランスから南米ガイアナに送られた囚人パピヨンの話で、幾度となく命懸けの脱走を試みては捕まってしまう主人公をスティーブ・マックイーンが迫真の演技で演じた。
共演したダスティン・ホフマンとともに今までのイメージと全く違うリアルさで、過酷な囚人環境と脱走のサスペンスを観客に伝えた意欲作だ。
それに楽曲を提供したのが、ゴールドスミスである。
美しい耳に残るメロディーが場面に応じてアレンジされて使われ、パピヨンのイメージがイコール ゴールドスミスの曲という感じだ。
映画のパンフレットを見て、ゴールドスミスの名前を知ったが、それ以来何度も彼の名前を目にし、何度も彼の素晴らしい音楽に感動させられた。
美しい旋律も、恐怖感溢れる旋律も、エアフォース・ワンのような迫力溢れる音楽も全て高いレベルで映画を盛り上げている。
スタートレックは特に有名だと思うが、宇宙空間をエンタープライズ号が航行する壮大さを迫力満点の音楽で表現していた。
ゴールドスミスの曲なくしては、スタートレックの魅力も大きく損なわれるだろう。


日本にも1998年と2000年に来日し、神奈川フィルを指揮しコンサートを行っている。
来日した際のイベントでの会話やコンサートの様子をネット上で目にしたが、温厚で謙虚な人柄は、170本もの映画を手掛けた大作曲家とは思えない気さくさである。コンサートではアンコールが鳴りやまず、追加でメドレーを演奏したが、それでも治まらなかったので、最後は彼が舞台から観客に謝ったそうだ。
彼は、素晴らしい演奏を賞賛された時も、自分は指揮をとっているだけで、素晴らしいのはオーケストラの皆さんだとも言ったそうだ。

2003年に予定されていた三度目の来日は、体調不良のために実現せず、代わりに彼の友人のチャールズ・フォックスが指揮をとった。会場で流されたゴールドスミスのビデオメッセージにファンも次の来日を期待したが、2004年7月21日の早朝、ロサンゼルスの自宅にて肝臓癌で息を引き取った。享年75歳であった。

彼が亡くなったことは本当に残念だが、彼が多くの作品を手掛けてくれたので、彼が関わった映画を観る度に彼を思い出し、感動させてくれるだろう。


ジェリー・ゴールドスミスは、本当に素晴らしい映画作曲家だった。

2009年7月27日月曜日

モリコーネ

雨雲が空いっぱいに広がっている。
週末から雨がよく降っていて、梅雨はいつ開けるのかと思うお天気だ。

例の駅のホームに作られたツバメの巣だが、今朝駅に行くと巣の下に注意書きのプレートが貼られていた。
「頭上注意 つばめの巣があります」
何となく嬉しい気分だ。
雛たちはすっかり大きくなって、親ツバメとさほど変わらない大きさで巣からはみ出しそうになっている。巣立ちも近そうだ。

今日は映画音楽の巨匠であるエンニオ・モリコーネの音楽を聴きながら出勤だ。モリコーネは、セルジオ・レオーネ監督のマカロニウエスタンの音楽で名を知られ、遺作となったワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカまで、その関係は続いた。
マカロニウエスタンだけにとどまらず、数多くの作品を手掛け、アカデミー賞においても何度となくノミネートされている。映画音楽の巨匠としては5本の指に入る大作曲家である。
ウイキペディアで調べた彼の作品を見れば、その凄さを実感する。


荒野の用心棒 A Fistful of Dollars (1964)
夕陽のガンマン Per qualche dollaro in piu (1965)
夕陽の用心棒 Una Pistola per Ringo (1965)
続・夕陽のガンマンIl Buono, il brutto, il cattivo (1966)
テオレマ Teorema (1968)
殺しが静かにやって来る Il Grande silenzio (1968)
ウエスタン Once Upon a Time in The West (1969)
シシリアン Le clan des siciliens (1969)
狼の挽歌 Citta violenta (1970)
デカメロン Il Decameron (1971)
わが青春のフロレンス Metello (1971)
夕陽のギャングたち A Fistful of Dynamite (1971)
殺人捜査 Investigation of a Citizen above Suspicion (1971)
進撃O号作戦 Che c'entriamo noi con la rivoluzione? (1973)
エスピオナージ Le Serpent (1973)
ペイネ 愛の世界旅行 Il Giro del mondo degli innamorati di Peynet (1974年)
アラビアンナイト Il foire delle mille e una notte (1974年)
ソドムの市 Salo o le 120 giornate di Sodoma(1975)
ミスター・ノーボディ My Name is Nobody (1975)
1900年 Novecento(1976)
オルカ Orca (1977)
エクソシスト2 Exorcist �: The Heretic (1977)
天国の日々 Days of Heaven (1978)
Mr.レディMr.マダム La Cage aux folles (1978)
華麗なる相続人 Bloodline (1979)
華麗なる女銀行家 La Banquiere (1980)
遊星からの物体X The Thing (1982)
ホワイト・ドッグ White Dog (1982)
サハラ Sahara (1983)
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ Once Upon a Time in America (1984年)
スキャンダル・愛の罠 La gabbia (1985)
レッドソニア(1985)
ミッション The Mission (1986)
アンタッチャブル The Untouchables (1987)
フランティック Frantic (1988)
ニュー・シネマ・パラダイス Nuovo cinema Paradiso (1988)
カジュアリティーズ Casualties of War (1989)
アタメ Atame! (1990)
みんな元気 Stanno tutti bene (1990)
ステート・オブ・グレース State of Grace (1990)
ハムレット Hamlet (1990)
夜ごとの夢/イタリア幻想譚 La Domenica specialmente (1991)
バグジー Bugsy (1991)
鯨の中のジョナ Jena che visse nella balena (1992)
ザ・シークレット・サービス In the Line of Fire (1993)
ウルフ Wolf (1994)
ディスクロージャー Disclosure (1994)
明日を夢見て L'Uomo delle stelle (1995)
ロリータ Lolita (1997)
Uターン U Turn (1997)
海の上のピアニスト La Leggenda del pianista sull'oceano (1998)
ブルワース Bulworth (1998)
オペラ座の怪人 Il Fantasma dell'opera (1998)
ミッション・トゥ・マーズ Mission to Mars (2000)
宮廷料理人ヴァテール Vatel (2000)
マレーナ Malena (2000)
リプリーズ・ゲーム Ripley's GameE (2002)
題名のない子守唄 La Sconosciuta (2006)


モリコーネは、ニュー・シネマ・パラダイスやアンタッチャブルのような大ヒットした作品の音楽だけでなく、SF作品やコメディでも活躍している。
ジョン・カーペンター監督の『遊星からの物体X』も彼の音楽だというのは知らない方も多いと思うが、ジャンルに拘らず、多くの楽曲を提供し続けている。
マカロニウエスタンの乾いた荒野に鳴る緊張感溢れるギターのメロディーからニューシネマパラダイスのようなロマンチックで繊細なメロディーまで、映画が引き立つ音楽はどういうものか知り尽くした大作曲家である。
映画音楽の大作曲家と呼ばれる人は、モリコーネのような姿勢で取組んでいる人が多いように思う。
スタートレックやパピヨンで知られるジェリー・ゴールドスミスもポルターガイストやロボコップなどジャンルを問わず、素晴らしい楽曲を提供している。言い方が悪いかも知れないが、映画よりも音楽の方が高いレベルになってしまうこともあり、少なからず映画のレベルを引き上げていた。

先に映画音楽で5本の指に入る大作曲家と言ったが、私ならこの巨匠達が頭に浮かぶ。

エンニオ・モリコーネ
ジョン・ウィリアムズ
ジェリー・ゴールドスミス
ヘンリー・マンシーニ
ジョン・バリー
フランシス・レイ

5本と言ったが、6本になってしまった。ちょっと大目に見てほしい。

ジョン・ウィリアムズは、『スターウォーズ』や『ジョーズ』、『スーパーマン』、『未知との遭遇』、『シンドラーのリスト』など多くの作品を手掛け、壮大・荘厳な音楽を聞かせてくれている。スピルバーグの作品の大半は彼の曲だ。

ヘンリー・マンシーニは、『シャレード』や『ティファニーで朝食を』のムーン・リバー、『ピンク・パンサー』のテーマ曲で有名だ。ロマンチックで華やかな楽曲が彼の魅力だ。

ジョン・バリーはなんといっても007シリーズの音楽だろう。007以外にも『野生のエルザ』や『ダンス・ウイズ・ウルブス』など多くの作品に関わっている。

最後にフランシス・レイたが、フランス映画と言えばこの人だろう。クロード・ルルーシュ監督との作品の数々は、フランス映画音楽の代名詞と呼んでもいいほどだ。『男と女』、『白い恋人たち』、『パリのめぐら逢い』などは定番中の定番だ。
フランシス・レイを上げると『シェルブールの雨傘』のミシェル・ルグランも素晴らしい作曲家だ。
やっぱり5本じゃなくて10本は要りそうだ。


んー、やっぱりモリコーネは良いなあ。

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(=^・^=)kinop

2009年7月10日金曜日

ボンド ジェームズ・ボンド

暑〜い。
う〜。
そんな感じの朝だ。
それにしても蒸し暑い。

007は、『ドクター・ノー』から数えて最新作『慰めの報酬』で22作品が制作された。
原作はイアン・フレミングのスパイ小説。ルイス・ギルバートをはじめとした監督がメガホンをとったスパイ映画の王道をいくシリーズだ。


ショーン・コネリー、ジョージ・レイゼンビー、ロジャー・ムーア、ティモシー・ダルトン、ピアーズ・ブロスナン、ダニエル・クレイグと、6人の俳優がジェームズ・ボンドを演じてきた。
音楽はジョン・バリー。あの馴染みのあるメロディーに加えて、毎回ビッグネームが主題曲を歌うのが定番だ。シャーリー・バッシー、マット・モンロー、トム・ジョーンズ、シェリル・クロウ、ポール・マッカートニーなどなど、錚錚たる名前が並ぶ。
007の魅力は、様々な秘密兵器やボンドカー、魅力的なボンドガール、スリルとアクションはもちろんだが、一番はスパイというものへの憬れだろう。ここでいうスパイは実際に暗躍しているような工作活動ではなく、人知れず世界を危機から救うヒーローとしてのスパイであり、そのダンディさやクールさに憬れるのだ。


007はシリーズだが、それぞれの作品の関連性は薄い。だからこそ、主演俳優が変わってもどうにかなるのだろう。ショーン・コネリーのダンディさ、ロジャー・ムーアの洒落っ気、ブロスナンのスマートさとそれぞれの個性でボンドを演じていたが、それなりに上手くはまっていた。もちろん誰でも良い訳ではないが、英国俳優であるという絶対条件を除けば基準はないように思う。


個人的には、やはりショーン・コネリーのボンドが一番かっこいいと思う。『ドクター・ノー』、『ロシアから愛をこめて』、『ゴールドフィンガー』、『007は二度死ぬ』、『サンダーボール作戦』、『ダイヤモンドは永遠に』と6作品に出演した。
カジノに黒のタキシードで現れ、マティーニをシェイクじゃなくステアで頼み、敵のボスとゲームに勝ち、絶世の美女と姿を消す。水戸黄門の印籠ぐらい定番中の定番のシーンだが、これを見たくて映画を観ている人も少なからずいるだろう。
また、あるシーンではウェットスーツにボンベを背負い敵地に進入すると、ウェットスーツを脱ぎ捨てると真っ白なタキシードが現われる。どこからか真っ赤なバラを出して胸にさす。
そんな奴はおらんやろと突っ込みたくなるが、ジェームズ・ボンドでは、そうでなければ、みんながガッカリする。
荒唐無稽だが、だからこそスマートで、クールで、ダンディなジェームズ・ボンドに憬れるのだ。
いわゆるカッチョえ〜といい感覚だ。

だが、ダニエル・クレイグが演じる『カジノ・ロワイヤル』からそういう飾りの部分をなくし、秘密兵器も抑え、生身のボンドが走り回り、格闘するリアルな路線に変更された。
映画を観るまでは如何なものかと心配したが、これはこれで魅力的な映画に仕上がっていた。
この映画ならダニエル・クレイグでなければならないという説得力がある迫力があった。
テーマソングまでエンドロールまで流さないという徹底ぶりが逆に良かったのだろう。
唯一と言って良い前作からの継承は、ジュディ・デンチ演じるMI6の女ボスMである。
彼女のクールさは、今のボンドにもぴったりはまっていた。もしかすると、今後ボンド役は交代しても、Mは彼女でなければならないのかも知れない。

こうみると、007はコードネームだが、ジェームズ・ボンドも映画のコードネームであり、前作にとらわれない映画に付けられた符号のようにも感じる。


ダニエル・クレイグのシリーズは今後も楽しみだが、あの派手なアクションをいつまで続けられるのかが、少し心配だ。


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(=^・^=)kinop

2009年7月7日火曜日

あらためてALWAYS

この週末は、月曜日が代休だったため三連休であった。
だからといって取り立てて何かした訳ではない。
まあ、DVDで映画を見たぐらいだ。
新作を1本、あとは昔見た映画ばかりだ。
新作は、24でお馴染みのキーファー・サザーランド主演のサスペンス・ホラー『ミラー』だ。
名前のとおり、鏡がキーになっている。かなりショッキングな映像が多いから、気の弱い人にはお勧め出来ない。
何となく借りてきたが、それなりに楽しめた。

血なまぐさい映画を見たかろ、口直しではないが、あらためて『ALWAYS三丁目の夕日』を1作目と2作目の両方を観た。
やはり、何度観ても良い映画だ。
私の子供時代は年齢的には、もうちょい後になるし、育ったのは大阪市内だから、映画の舞台とは違うが、映画から感じるあの頃の空気は本当に懐かしく思う。
小さな冷蔵庫、ハンドルでしぼる洗濯機、銭湯で飲んだ牛乳、などなど私も知っているというか体験したものが映画にあふれている。
夏になると半ズボンにランニングシャツで友達と野原を走り回った。
あの頃は、大阪市内にも空き地が結構あったし、今のようにテレビゲームなんてなかったから、雨でも降らない限り外で遊んだ。
映画では、クリスマスに万年筆を貰って大喜びするシーンがあり、観ていて顔が綻んでしまうが、私の場合は、回転式の銀色のシャープペンシルだった。
今のようなノック式はまだ珍しかった。シャープペンシルなんて持っていること自体が珍しく、筆箱の中には鉛筆と消しゴムが当たり前だった。
スラッとした銀色のシャープペンシルはクリップの部分は金色だったと思う。大人っぽいデザインが自慢だった。
あのシャープペンシル、どこにいったんだろう。

今は物があふれ、時代も生活も複雑になった。便利になったかも知れないが、多くの不便さも背負い込んでいるように思う。
休みには休み、夜は寝るのが当たり前だったが、年中無休に24時間営業は当たり前、お金を持ち歩かなくても買い物も出来る。
そんな便利な物は何もなかったが、本当に楽しかった。
お母さんにくっついて行った市場、夕暮れの銭湯と帰り道に家族で食べたお好み焼き、公園でみんなとした缶けり。楽しく鮮やかな色をした思い出がたくさんある。
そういう願っても戻らない懐かしい日をこの映画が見せてくれる。
本当に何が幸せなのか、考え直させてくれる映画だ。

たまに観ては、そんなことを思い出す。
良い映画だ。


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