2010年2月26日金曜日

脱走山脈



脱走山脈という映画を観た。古い良い映画だ。主演はオリバー・リード、共演はマイケル・J・ポラード。監督はマイケル・ウィナー。第二次大戦中のドイツが舞台。オリバー・リード演ずるイギリス人捕虜ハンニバル・ブルックス(映画の原題)は、動物の世話をするために動物園に連れてこられ、ルーシーという象の世話をすることとなる。ルーシーの世話をするに連れてブルックスとルーシーの間に絆が芽生える。終戦が近付き、空襲も激しくなり、園長の頼みでルーシーをブリュッセルの動物園に連れていくことになるのだが、途中でちょっとしたトラブルが原因で監視に付き添っていたドイツ兵を殺してしまい、気の優しいもう一人のドイツ兵と一緒に行動していたポーランド人女性とともにスイスにルーシーを連れて逃げることとなる。

とこんな感じのお話だ。脱走を扱った映画は多いが、象とアルプスを越えるなんて映画はなかった。一応、戦争映画のジャンルに入っているが、少し異質な楽しい暖かみのある映画だ。アルプスへ向かう道中に「男と女」などで有名なフランシス・レイの美しい曲が流れ、何とも素敵な作品なのだ。

◆マイケル・J・ポラード
背丈は小柄で四角い顔に丸メガネ。けっして美男ではない。分かりやすくいうと佐藤ガジロウさんのような感じだ。あの有名な「俺たちに明日はない」ぐらいから活躍した俳優だ。「アメリカ上陸作戦」などのコメディにも出演していた。
いたずらっ子がそのまま大人になったようなキャラクターで、ドジばかり。でも、どこか憎めない愛嬌がある。そんな感じだ。ロバート・レッドフォードと共演した「お前と俺」では、レッドフォードがいけいけのレーサーでパートナーのエンジニアをポラードが演じていた。冴えない男ポラードが、映画の最後には成功を掴み、レッドフォードと立場が逆転する。

本当に味のある役者さんだった。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のマイケル・J・フォックスは、役者になる時に同姓同名の役者がいたので、敬愛するマイケル・J・ポラードのJを付けたそうだ。

◆オリバー・リード
オリバー・リードは、ぎょろ目で大きな顔の男臭さぷんぷんのタフガイ。映画の世界に入ったのも、リードの風貌が厳ついから怪奇映画の役者を勧められたからだ。
因みに役者になることを勧めた親戚のおじさんだが、あの巨匠キャロル・リードなのである。

みなさんが知っている映画では、ラッセル・クロウ主演の「グラディエイター」で剣闘士の奴隷達を闘わせて金儲けをする興行主のプロキシモを演じていた。プフロキシモもまた剣闘士の出身というリードらしい役柄だった。
リードは撮影の途中に急死した。ラム酒を3本飲み干し、地元の人を相手に腕相撲で打ち負かし、その後心臓発作で亡くなったそうだ。いかにもリードらしい死に際だ。

良い映画だけどメジャーな作品ではないので、DVD化されないと思っていたので、TSUTAYAでこれを見つけた時はちょっと嬉しかった。
おすすめの映画なのでまだ観ていない人は、一度観て欲しい。



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