2010年3月23日火曜日

絶世の美女

綺麗な女優さんは数あれど、その中でも特に美しい女優さんは誰だろうか。




イングリッド・バーグマン。
スウェーデン出身。
セルズニックの目に止まり、ハリウッドに進出した。
『ガス燈』で人気を博し、知的な美貌で、一躍トップスターに。
ロベルト・ロッセリーニとの不倫騒動で、絶頂期にしばらく映画から遠ざかっていた。
ボギーと共演した『カサブランカ』、ゲーリー・クーパーと共演した『誰がために鐘はなる』などが有名だ。
晩年、アガサ・クリスティ原作の『オリエント急行殺人事件』でオスカーに輝いた。





娘のイザベラ・ロッセリーニもまた女優で活躍している。
写真を見ても絵に書いたような美女である。
知的な美貌どおり、ドイツ語やイタリア語も話せる才女だったそうだ。
1982年に癌で亡くなっている。
1982年は、彼女に匹敵する美女グレース・ケリーもまた、自動車事故で亡くなっている。





22歳でハリウッドにデビュー。
2作目で、スタンリー・クレイマー監督が『真昼の決闘』でゲイリー・クーパーの相手役に抜擢した。
彼女は、アルフレッド・ヒッチコックに気にいられていた女優で、『ダイヤルMを廻せ!』『裏窓』『泥棒成金』などの作品に出演した。
『上流社会』を最後に、カンヌ映画祭で知りあったモナコ公国のレーニエ大公と結婚し、映画界から引退した。
クール・ビューティとよく聞くが、元祖はグレース・ケリーである。
バーグマン同様、彼女もまた絵に書いたような絶世の美女である。





彼女たち以外にも、エリザベス・テイラーやヴィビアン・リーなど美しい女優さんは、たくさんいるけれど、人気やカリスマ性は別格だろう。


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2010年3月22日月曜日

八千草薫



写真の女性誰だか分かるだろうか。
八千草薫さんだ。
皇潤のCMで三国連太郎さんと八千草薫さんが出演されている。
最近は、優しいおばあさん役が多くなったが、相変わらず綺麗で可愛い方だ。
若い頃からお歳を召されても、本当にチャーミングだ。
純情可憐とは、八千草薫さんのための言葉である。
映画やドラマで今も活躍されている。

『サトラレ』という映画で主人公の祖母役で出演されていたが、八千草さんが出ているだけで祖母の大きな愛が伝わってきた。
私は、八千草さんの朗読された『きりんのなみだ』というCDを持っている。
昔の子供達の作文をビートルズなどのBGMにのせて優しく朗読するCDだ。
そのCDの帯にこう書かれていた。

この声で誉められたい。
この声で叱られたい。

本当にその通りだ。
お体に気をつけて、これからも活躍されることを望んでいる。



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ファイナル・デッドサーキット


ファイナル・ディスティネーション・シリーズ第4弾。
死から逃れたため、生き延びた人間が次々と死に襲われる。
今回は、サーキット場での大事故から逃れた人達が、生き残りを賭けて死と戦う。
はっきり言って、映像は結構グロい。
観客に見せる時間が短いので、グロさは軽く感じるが、かなりえげつない映像だ。
だが、映画のコンセプトがいいのか、はらはらどきどきしながら最後まで観てしまう。
なんと、今回は3Dで公開したそうだ。
あのえげつない映像を3Dとは大胆だ。

意図したかのように偶然が偶然と重なり、命を落とす事態に発展する。
映画のオープニングでは、前3作で死に至るシーンをレントゲン映像でまとめていた。
マニアックなファンに受ける面白い映像だった。
今回も、痛い痛い映像の連続。
死は突然やってくる。
怖いもの見たさで見てしまうんだが、何回一時停止ボタンを押しただろうか。
あー、怖いと思ったら停止。
心を決めて、再生。
その繰り返しだ。

これも、映画でしか出来ないお話だ。
怖いんだが、面白いんだな。

2010年3月21日日曜日

2012


太陽のフレアが観測史上最大の大きさを記録し、そこから発せられるニュートリノが地球の核に反応し、未曾有の天変地異が起こる。
地球滅亡に向かってカウントダウンが始まった。
生き残りを賭けて、世界が動きだす。

と、こういう無理やりな設定で大規模なスケールのお話が繰り広げられる。
ご存知、ローランド・エメリッヒ監督の作品だ。
『スターゲート』を皮切りに、『インディペンデンス・デイ』、『デイ・アフター・トゥモロウ』と超大作を手がけてきた。
いずれの作品もかなり無理がある大胆な設定とストーリー展開だ。
『インディペンデンス・デイ』では、宇宙人から奪った宇宙船で敵の宇宙船に乗り込み、ウイルスプログラムを送り込んで敵を倒した。
挙句の果ては、大統領がジェット戦闘機に乗って、宇宙人と戦うことまでやってのけた。
『デイ・アフター・トゥモロウ』では、超巨大な低気圧の目が現れたときに、超低温に凍りつくのを走って逃れていた。
一部の人は、この無茶苦茶な設定に文句を言うが、私は全然気にならない。
映画は嘘を如何にリアルに見せるかが大事であって、理屈っぽく観てもちっとも面白くない。
無茶で大胆な設定をリアルな映像にするから面白い。
誰も見たことがない超巨大な宇宙船や、凍りつくニューヨークが映像になっているだけで感激だ。

昔は、この手の映画はパニック映画と言っていたが、最近はディザスター・ムービーと言うそうな。
『2012』では、数千メートル級の大津波が世界を飲み込む。
原子力空母が津波にのまれ、ホワイトハウスに覆いかぶさる。
そんな映像なんて観たことがない。
凄い迫力だ。

ごちゃごちゃ考えずに映像を見て楽しむにはもってこいの作品だ。
私は、大好きだ。

夢の車 その3

Hannibal 8 Great Race


フェイト教授(ジャック・レモン)が操縦するグレートレースのレースカーだ。
チキチキマシーンのような車がユニークだ。



Volkswagen Herbie


昔々の映画『ラブ・バック』に登場する心を持ったビートルのハービー。
続編も作られた人気作品だった。
最近リメイクもされた。



1904 Winton flyer The Reivers movie car


『華麗なる週末』でスティーブ・マックイーンが乗っていたクラシックカーだ。
可愛いなあ。



Aston Maritin DBS 007


ピアーズ・ブロスナンが乗る透明になるアストンマーチンだ。
やっぱりボンドカーはかっこいい。




BMW R1150R Ultra Violet



ミラ・ジョボビッチが暴れまくるSF映画『ウルトラ・バイオレット』で登場するBMW。
壁は走るし、ビルはよじ登る凄いバイクだ。
市販されているモデルだそうだ。


夢の車 その2

Autobot Bumblebee Camaro Transformers 2 


ガチャン、ガチャンとロボットに変身するカマロだ。
それにしてもピカピカだ。
戦うのも気を使いそうだ。



Lotus Esprit 007


私を愛したスパイに登場するボンド・カーだ。
水陸両用で海の中では潜水艦になる。



Knight 2000 Knight Rider


おしゃべりするスーパーカー ナイト2000。
オフィシャルでベースとなる車探しからしてくれるチューナーがある。
結構お高いが、ナイト2000そっくりに仕上げてくれる。
お金がなければ内装だけというのも可能だそうだ。



Spinner Blade Runner


ブレードランナーが乗る追跡用の車だ。
デザインはあのシド・ミードだそうだ。



>Land Speeder Star Wars

スターウォースのルーク・スカイウォーカーが乗る宙に浮いて走る車だ。
撮影当時はタイヤ部分に鏡を付けて走らせて、後から処理したそうだ。

夢の車 その1

映画に登場する夢の車を集めてみた。

Mach 5 Speed Racer



マッハGO!GO!マッハGO!GO!マッハGO!GO!GO!
アメリカでも大人気の我らが、マッハ号だ。



Imperial 1966 Black Beauty Green Hornet


ブルース・リーが活躍するアメリカ・テレビ・シリーズのグリーン・ホーネットに登場した車だ。



Audi RSQ I Robot


アイ・ロボットでウィル・スミスが乗る未来型のアウディだ。
未来は、運転なんてしなくていいのだ。



Lexus Minority Report



トム・クルーズ主演の近未来SF『マイノリティ・リポート』に登場したレクサスだ。
未来の工場であっという間に組み立てから塗装までされる光景が描かれていた。



Bat Mobile Bat Man


バットマンのバットモービルだ。
シリーズの中で色んなタイプのバットモービルが作られている。
これは、初期の作品で登場したものだ。

吹き替え


映画を観るのは、もっぱらDVDである。
昔は映画館に足を運んだが、最近はわざわざ行ってまで観たいと思う映画も少ないから、DVDで満足している。
DVDには、吹き替えのある物が多く、昔の映画でもテレビ放送した当時の音源を収録したりしているものもある。
オードリー・ヘップバーンのXX記念とかの企画製品なんかは、池田昌子さんの新録版を作る場合もある。

オリジナルが一番という人もいるが、私はどちらかというと吹き替え版が好みである。
もちろん、吹き替えも単に日本語になっているだけではなく、それなりのクオリティが必要だ。
クオリティは、吹き替えされる方のレベルが高いことが前提だが、それに加えて声優さんと出演者のマッチングが大事な要素である。
素晴らしい声優さんでも合う合わないがあるので、この役者さんには、この声優さんと相応しい人があてないと違和感が出てしまう。
ちびまる子ちゃんの友蔵さんでお馴染みの青野武さんは洋画の吹き替えでも有名なベテラン声優だが、青野武さんがアラン・ドロンの吹き替えをしても違和感があるだろう。
やはり、アラン・ドロンなら野沢那智さんでなければ、しっくりこない。
グレゴリー・ペックなら城達也さん、クリント・イーストウッドなら山田康雄さん、シュワちゃんは玄田哲生さんと定番の人が吹き替えされるのがベストだ。
ただし、今挙げた方達でも玄田哲生さん以外は故人であり、城達也さんのビロードの声を聞きたくても残された音源以外では聞くことは出来ない。
城達也さんのジェットストリームは、聞きたくても、もう聞くことは出来ない。
山田康雄さんが亡くなり、急遽 ものまねの栗田貫一さんが代役に起用された。
栗田されは、かなり苦労されたと思うが本人ではないのだから、どうしても語り口も違うし、声質の違いは真似しようがない。
ドラえもんの声優さんが総入れ替えになったのは、昔からのファンにとっては寂しいかもしれないが、いたし方ないことだろう。
サザエさんも同じだが、定着したイメージを変えるのは、至難のことである。

洋画の世界では、今名前を挙げた青野武さん、山田康雄さん、城達也さん、玄田哲生さん、野沢那智さん、池田昌子さん以外にも外せない人が大勢いる。
思いつく人をざっと挙げてみよう。

・広川太一郎さん
「〜したりなんたりして」とか、独特の台詞回しで、つまらない映画まで面白くする天才。
トニー・カーチスやロジャー・ムーアが定番だが、二枚目でも三枚目でもこなすオールマイティな声優さん。
・納屋悟朗さん
銭形警部が有名だが、映画ならなんと言ってもチャールトン・ヘストンだろう。
重厚で男らしい声がぴったりだ。
モンティ・パイソンのジョン・クリーズのようなコミカルなキャラクターもこなすところが、またすごい。
・青野武さん
友蔵さんをはじめとするコミカルなキャラクターは、見事である。
ぶっ飛んだ役ならピカイチだ。
ぶっ飛んでるという俳優では、ジョー・ペシが定番だ。
『ベイビーズデイアウト/赤ちゃんのおでかけ』の ジョー・マンテーニャ、ジョー・パントリアーノ、ブライアン・ヘンリーの悪党三人組のスキンヘッドのパントリアーノは、最高に上手い。
面白い映画だが、青野武さんの吹き替えでかなり笑わせてもらった。
・大塚周夫さん
なんと言ってもチャールズ・ブロンソンだ。
あおの顔にはこの声しかないだろう。
男臭さあふれるブロンソンにはこの声がぴったり。
でも、ゲゲゲの鬼太郎のネズミ男なんかもできるんだよな。
坂口芳貞さん
この人以外にモーガン・フリーマンの声は無理だろう。
人生の酸いも甘いも分かった渋い良い声だ。
・平田広明さん
今、一番人気のあるジョニー・デップというかジャック・スパロー船長はこの人だ。
・武藤礼子さん
エリザベス・テイラーの声に代表される品のある美しい声だ。
この方も最近お亡くなりになられた。
寂しい限りだ。
・樋浦勉さん
ブルース・ウイリスといえば、テレビでは野沢那智さんが定番だが、DVDはこの樋浦勉さんが定番だ。
疲れた中年オヤジの声といえばこの人だ。
・小原乃梨子さん
マンガじゃのび太君や未来少年コナンを吹替えている。
ドロンジョ様もこの人だ。
映画では、ブリジット・バルドーやナタリー・ドロン、ジェーン・フォンダなどセクシーな人を吹替えている。
・江原正士さん
トム・ハンクスやロビン・ウィリアムスなど芸達者な人達を軽快に吹替えている。
ロビン・ウィリアムスのあのテンションを吹替えられる人はそうはいないだろう。
まさに名人である。
・池田昌子さん
オードリー・ヘップバーンだ。
あの美しく可愛い声は、この人以外にはできない。
少し前に池田昌子さんがセリフを言うCMがあったが、オードリー・ヘップバーンの映像がなくても、ヘップバーンなのだ。
・小林昭二さん
仮面ライダーのおやっさん。
ウルトラマンのムラマツ隊長だ。
この人のジョン・ウェインは、迫力があって渋くて、味がある。
納屋吾郎さんも吹替えられるが、やっぱり小林さんの方が馴染みがあるな。
・小林修さん
スキン・ヘッドのユル・ブリンナーだ。
冷静で落ち着いた艶のある良い声だ。
この人が言うことは聞かないといけないような声なのだ。
・菅生隆之さん
トミー・リー・ジョーンズの声を小林清志さんと半分ずつ分け合っているかな。
男らしい良い声だ。
BOSSの宇宙人ジョーンズは、菅生さんの声だ。
・田中信夫さん
黒人声といえばこの人。
その中でもシドニー・ポワチエは田中さんの定番だ。
・中村正さん
「奥様は魔女だったのです。」の名ナレーションはこの人。
紳士なら中村さん。
デビッド・ニーブン、フレッド・アステアなど、上品な人にぴったりあった品のある声だ。

まだまだ、あるが切がないので、いったんここまでにしておきたい。
ちなみに、とりみきさんの『吹替映画大辞典』は吹替えファンにはおすすめの一冊だ。



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2010年3月16日火曜日

エスター


ケイトは、3人目の子供を死産で亡くしたり、耳の不自由な娘のマックス(アリアーナ・エンジニア)をアルコール依存症で溺れかけさせたりしたことがあった。
2人は、過去を忘れ新しい生活を始めようと、孤児を養子に迎えようとする。
孤児院を訪ねた夫妻は、1人の少女と出会う。
彼女の名前はエスター(イザベル・ファーマン)。
ロシアからアメリカに引き取られた子供だ。
前の養子先は、火事で家族が亡くなり、孤児院に引き取られていた。
絵を描き、知性的で不思議な魅力を持った彼女を気に入り、養子として迎えることとなった。
始めのうちは家族と打ち解けるのだが、息子のダニエル(ジミー・ベネット)は彼女を嫌っていた。
家族と暮らし始め、徐々に彼女が持つ恐ろしい本性が顔を現しだす・・・

原題 ORPHAN とは、孤児のことである。
このイザベル・ファーマンが、本当に怖い。
黒と白の洋服に黒い髪と黒い目。
肌は透き通るように白く、綺麗だがどこか不気味なのだ。
素顔のポートレートはとてもチャーミングなんだが、この映画の彼女は悪魔のようだ。
言葉巧みに家族をいがみ合わせ、マックスには恐怖で威圧し秘密を黙らせる。
大人たちを手玉に取り、心に秘めた恐ろしい目的を果たそうとする。
少女の顔から突如悪魔の形相に変わる。
知らない内に、背後に立っていたりすると、ぞーっとする。
耳の不自由なマックスが、子供らしく可愛いだけにその不気味さが際立っている。
映画の後半は、もう頼むから勘弁してという感じだ。
ホラーではないが、ホラーより恐ろしい。

2010年3月15日月曜日

みじかくも美しく燃え



1889年にスウェーデンで実際に起った事件をもとにした作品である。
妻子ある陸軍中尉が、サーカスの綱渡りのスターと恋に落ち、脱走し逃避行の末、悲しい最後を迎える。
いわゆる悲恋物である。
原題は、主人公の女性エルビラ・マディガン。
スウェーデンの映画である。

彼女を演じている女優が、ピア・デゲルマルク。
ジャケットの通り、とても可愛い女性だ。
カンヌ映画祭のパルムドールにノミネートされ、ピア・デゲルマルクは主演女優賞も受賞した。




この映画を観たのが、小学生の頃。
母と祖母と一緒に観た覚えがある。
ませていた訳ではないが、何となく3人で観た。
不倫がどうとかは分からなかったが、綺麗なお姉さんが心中するシーンが衝撃的で可愛そうだったことだけを覚えている。
この映画に流れる曲もずーっと耳に残っている。
モーツアルトのピアノ協奏曲 第21番 第2楽章 。
映像も絵画を見ているような美しさがある。
モネの絵を見ているような光景を二人が歩くシーンは本当に美しい。
今見てもなお、その美しさは損なわれていない。


母と見た懐かしい思い出が強く今でも心に残っている映画だ。
でも、小学生で、なんでこんな映画観たんだろう。

脱走特急


1940年のイタリア。
イタリアは連合軍に降伏し、イタリア中部にある捕虜収容所の捕虜たちはオーストリアのインスブルックに移送されようとしていた。
そこにアメリカ空軍のパイロットであるライアン大佐(フランク・シナトラ)がやってきた。
収容所には、700名の捕虜がいて、その大半はフィンチャム少佐(トレヴァー・ハワード)が率いるイギリス兵だった。
フィンチャム少佐は、これまで何度も脱走を企てていたが、ことごとく失敗していた。
ライアン大佐は、捕虜の移送をチャンスに、全員の脱走を計画する。
画して、捕虜を乗せた列車の乗っ取りに成功したライアン大佐は、スイスへ向かって列車を走らせるのだが・・・

この映画は、フランク・シナトラ御大のための映画である。
脱走といえば、ジョン・スタージェスの『大脱走』が有名だが、結構色んな作品が作られている。
象を連れて山を越え脱走を図る『脱走山脈』なんて映画も面白かった。
この映画も、はらはらどきどきで中々面白かった。
列車で脱走というのがまた、ユニークである。
因みにネタばれだが、最後にフランク・シナトラは犠牲になって死んでしまうのだが、フォックスは生きてスイスへ逃れるシナリオを望んでいたそうだ。
シナトラは、映画のストーリーや主人公のイメージと違うという理由で、それを受け入れなかったそうだ。
さすが、シナトラである。

   

コレクター


銀行員のフレディー(テレンス・スタンプ)は、内向的な性格の青年。
彼は、賭けで大金を手にし、郊外の大きな家に一人で住んでいた。
彼は、蝶を収集するように美術学校に通うミランダ(サマンサ・エッガー)という美しい娘を誘拐する。
屋敷に閉じ込め、一緒に生活を送ることを考えたのだった。
彼女に手荒なことはしないのだが、常に監視していた。
意味も分からず、誘拐された彼女は、どうにか逃げようとするのだが、逃げられるチャンスも逃げ損なってしまう。
激しい雨が降った夜、ミランダはフレディをシャベルで殴り、逃げようとするのだが、血まみれになりながらも逃げることは出来なかった。
暖房も効かない部屋にミランダを閉じ込めたまま、フレディは病院へ行ってしまった。
病院で手当てを受けてフレディーが帰ってくると、ミランダは肺炎を起こし虫の息。
そのまま、彼女は死んでしまった。
次の日、フレディは、彼の手当てをした看護婦の後ろから車をゆっくり走らせていた。

いわゆる今で言うストーカーだが、監督はなんとあの『ローマの休日』や『ベン・ハー』、『大いなる西部』のウィリアム・ワイラーである。
スケールの大きな作品も撮れば、『おしゃれ泥棒』のようなコミカルな作品まで手掛ける手腕は凄いの一言に尽きる。
この作品の撮影中、ワイラーはサマンサ・エッガーにセットから出ないことと、スタッフの誰とも一緒に食事をさせなかったそうだ。
そういうこともあって、逃げようとする彼女の鬼気迫る演技があったのだ。
それに加え、テレンス・スタンプの不気味さが成功につながったのだろう。
テレンス・スタンプとサマンサ・エッガーは、この作品でカンヌの主演男優賞と女優賞を受賞している。
蝶の収集のように若い女性を誘拐するのだが、自分の屋敷に監禁した女性の扱いも蝶と同じなのだ。
オカルトよりもずーっと怖い作品である。