
ベット・ミドラーのIn My Life。
映画「フォー・ザ・ボイズ」の中で歌われた。ビートルズのIn My Lifeも良いのだが。この映画の中でミドラーが歌うIn My Lifeも素晴らしいのだ。
ローズのベット・ミドラー主演、共演にはゴッドファーザーのソニー役=ジェームズ・カーン。
第二次大戦当時、カーン演じるスターのエディ・スパークスは、海外各地の基地を訪ね、従軍兵士の慰問をする人気者。ベット・ミドラー演じる歌手のディクシー・レナードは、演出のアートのつてでエディの慰問団に加わることになる。最初、はっきり物を言うディクシーに腹を立てるが、彼女の歌唱力と聞くものを引き付ける魅力に彼は慰問団に彼女を加えることを決める。
やがて、スターに成長したディクシーとエディのコンビは、一世を風靡するまでになり、各地を慰問する毎日。
エディのエゴに衝突しながら、色々な出来事に突き当たりながらも。時は過ぎていく。
第二次大戦、朝鮮戦争、そしてベトナム戦争と半世紀に渡って繰り広げられる2人のエンタティナーの半生を描いている。
ボブ・ホープを思わせるようなジェームズ・カーンも良い感じで、この2人は大物エンタテイナーにぴったりのキャスティングだ。
In My Lifeは、ディクシーの息子が従軍しているヴェトナムキャンプをクリスマスに慰問に訪れた時に歌われる曲だ。
凄惨な戦いを続ける兵士は精神的にも疲れ、年をとったエディやミドラーの話を聞こうともしない。一緒に来たダンサーも兵士に取り囲まれ、まともな状態ではない。
そんな時、ディクシーがこの曲を若い兵士達に語りかえるように歌うのだ。それまで騒いでいた兵士達も静まり返り、故郷や家族、恋人に思いを馳せる。
何とも感動的なシーンにこの曲が使われている。
ミドラーの歌唱力は素晴らしいが、カーンも洒落ていて、彼が演ずるエディがいつもショーの最後に歌うI Remember You も素敵だ。
歌詞の最後に「人生の最後に思い出す人は・・・」と少し間をあけ、観客の誰かを指差し、「You !」と閉めるのだが、みんなそれを知っていて「Me !」と口々に叫ぶ。
このあたりが、古きよき時代のエンターテイメントっぽくって良い。
最後は、この歌が良い伏線として使われている。
2人のエンタテイナーの長い年月の心の機微が綴られたお勧めの映画である。
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