2010年3月4日木曜日

パリのめぐり逢い


有名ニュース・リポーター、ロベール・コロンブ(イヴ・モンタン)は、妻のカトリーヌ(アニー・ジラルド)と仲が悪いわけではないが、倦怠感を感じていた。
そして時折、若い女性とのアバンチュールを楽しんでいた。
そんな時、モデルをしながらソルボンヌにかようキャンディス(キャンディス・バーゲン)と知り合う。
ロベールは、若く知的な彼女に惹かれてしまう。
ロベールは、アフリカへの取材に彼女を誘い、彼女も喜んで取材に動向した。
ケニアでの二週間。動物を追い続けながら二人は恋に落ちていく。
ロベールは、帰国後カトリーヌとアムステルダムへ旅行に行き、久しぶりの旅行でお互いを見つめあうのであった。
そんな旅行先に、彼を追ってキャンディスが現れる。
妻にパリへ仕事で戻ると偽りの理由を言い、キャンディスのホテルに向かうロベール。
ロベールは2日後、カトリーヌの元に戻るのだが、様子のおかしいロベールの姿を見て、カトリーヌはすべてを気付いてしまう。
パリへ帰ったロベールは、キャンディスと一緒の生活をはじめた。
しかし、心は空虚でカトリーヌのことが頭から離れないロベール。
ベトナム戦争の取材へ旅立つとき、ロベールはキャンディスに別れを告げた。
戦場で悲惨な光景を目の当たりにし、ある日ベトコンの捕虜になってしまう。
時が経ち、ロベールは解放されパリに戻った。
ロベールは、カトリーヌを探してアルプスの町へ向かった。
カトリーヌに再会するのだが、彼女は友達と楽しく過ごしていて、彼との距離は以前に比べて離れたものになっていた。
ロベールは、彼女が自分から心が遠く離れてしまったと悟り、彼女に別れを告げる。
パリへ帰ろうと、フロントガラスに厚く積もった雪をはらい落した時、そこには笑顔の妻が立っていた。

クロード・ルルーシュ監督、フランシス・レイ音楽の1968年の映画だ。
身勝手な中年男モンタンが二人の女性の間で心が揺れ動く。
いわゆる不倫なのだが、モンタンがかっこいいのである。
モンタンがアムステルダムからパリに戻った時、一人街中を歩くアニー・ジラルドの表情も何か寂しげで美しい。
若く美しいキャンディス・バーゲンの知的な美しさもまた良い。
それにフランシス・レイの甘美なメロディーが重なって、フランス映画らしいメロドラマになっている。
筋書きだけを見ると陳腐に思えるのだが、映像が美しく。
セリフを拾わずに音楽だけでシーンを重ねていく編集も多く、言葉では言い表せない魅力のある作品だ。
悲しいかなこの映画もDVD化はされていない。

だが、どうしてもこの映画が見たかったので、ネットであれやこれや探したら、海外のDVDを代行で取り寄せてくれるショップを見つけた。
取り寄せ可能な作品を検索するとパリのめぐり逢いもリストにあったから、思い切って申し込んだ。
もちろん吹替えもなければ字幕もないし、フランス語だ。
だが、良い映画というのは、細かいセリフが分からなくとも、心に響いてくるものだ。
昔観た記憶とともに映画の世界に引き込まれてしまった。

うーん、やっぱりクロード・ルルーシュとフランシス・レイは最高だ。

   

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