2010年3月15日月曜日

コレクター


銀行員のフレディー(テレンス・スタンプ)は、内向的な性格の青年。
彼は、賭けで大金を手にし、郊外の大きな家に一人で住んでいた。
彼は、蝶を収集するように美術学校に通うミランダ(サマンサ・エッガー)という美しい娘を誘拐する。
屋敷に閉じ込め、一緒に生活を送ることを考えたのだった。
彼女に手荒なことはしないのだが、常に監視していた。
意味も分からず、誘拐された彼女は、どうにか逃げようとするのだが、逃げられるチャンスも逃げ損なってしまう。
激しい雨が降った夜、ミランダはフレディをシャベルで殴り、逃げようとするのだが、血まみれになりながらも逃げることは出来なかった。
暖房も効かない部屋にミランダを閉じ込めたまま、フレディは病院へ行ってしまった。
病院で手当てを受けてフレディーが帰ってくると、ミランダは肺炎を起こし虫の息。
そのまま、彼女は死んでしまった。
次の日、フレディは、彼の手当てをした看護婦の後ろから車をゆっくり走らせていた。

いわゆる今で言うストーカーだが、監督はなんとあの『ローマの休日』や『ベン・ハー』、『大いなる西部』のウィリアム・ワイラーである。
スケールの大きな作品も撮れば、『おしゃれ泥棒』のようなコミカルな作品まで手掛ける手腕は凄いの一言に尽きる。
この作品の撮影中、ワイラーはサマンサ・エッガーにセットから出ないことと、スタッフの誰とも一緒に食事をさせなかったそうだ。
そういうこともあって、逃げようとする彼女の鬼気迫る演技があったのだ。
それに加え、テレンス・スタンプの不気味さが成功につながったのだろう。
テレンス・スタンプとサマンサ・エッガーは、この作品でカンヌの主演男優賞と女優賞を受賞している。
蝶の収集のように若い女性を誘拐するのだが、自分の屋敷に監禁した女性の扱いも蝶と同じなのだ。
オカルトよりもずーっと怖い作品である。

   

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