2010年3月12日金曜日

ロードショー







1972年に洋画専門雑誌としてROADSHOWが創刊された。
既に出版されていたSCREENと共に37年間も映画ファンに愛され続けていた。
残念ながら売上げの減少で、昨年休刊となった。
雑誌の創刊号の表紙を飾ったのは、アラン・ドロンと共に人気のあったカトリーヌ・ドヌーブ。
5月号が創刊号だ。
ロードショーのタイトルの下には”感じる洋画雑誌”と書かれていた。
創刊号の記事はこんな感じだ。

●ワイド付録 オードリー・ヘップバーン
●特集 さすらいのヒーロー ピーター・フォンダ ダスティン・ホフマン 他
●コード付楽譜特集 映画音楽ベストヒット14曲集
●連載第1回 スターストーリー アラン・ドロン
●2大独占海外特約情報
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アラン・ドロンやヘップバーンなど当時人気のあったスターの名前が並んでいる。
この年に生まれたスターでは、キャメロン・ディアスやジュード・ロウ、ベン・アフレックなどがいる。
と聞くとそんなに昔なのかと思ってしまう。
私は中学生の頃に映画の魅力の虜になった。
当時はインターネットなんてなかったから、ロードショーやスクリーンの2誌は貴重な情報源だった。
毎月、発売日が待ち遠しくて仕方なかった。
封切り間近の映画の情報を見て、映画館に行く日を楽しみにしていた。
また、憧れの人気スターのポートレートを見て、あー良いなあと幸せな気分に浸ったりしたものだ。
当時は、DVDもビデオもなかったから、テレビの放映スケジュールも貴重な情報の1つだった。
大空港が今度の金曜日にあるだとか、鉄道員が日曜洋画劇場で見れるだとか、毎月チェックしていた。
今とは違い、その日に見逃すと次はいつ見れるか分からないからだ。
その分だけ、今よりもすごく値打ちがあったし、見直しが出来ないので、頭や心の中に鮮明な記憶として映画が残っていた。
雑誌の記事には映画音楽の情報もあり、映画が好きになるに連れて、ニーノ・ロータやフランシス・レイなどの作曲家のことも知り、映画音楽の魅力にも惹かれていった。
ロードショーやスクリーンは、私にとっては宝物のような雑誌だった。

因みに創刊したこの年に流行った映画や人気のあったスターはこんな感じだ。

◆興行成績(国内)

1位 ゴッドファーザー 3億6651万
2位 007/ダイヤモンドは永遠に 3億900万
3位 屋根の上のバイオリン弾き 2億1992万
4位 風と共に去りぬ 1億9962万
5位 レッド・サン 1億9572万
6位 ひきしお 1億1397万

◆興行成績(アメリカ)

1位 ゴッドファーザー 134.8 M$
2位 ポセイドン・アドベンチャー 93.3 M$
3位 キャバレー 42.8 M$
4位 ラスト・タンゴ・イン・パリ 36.1 M$
5位 ゲッタ・ウェイ 27.0 M$
6位 フリッツ・ザ・キャット 25.0 M$
7位 黒いジャガー/シャフト旋風 10.0 M$
8位 ビリー・ホリデイ物語 奇妙な果実 9.6 M$
9位 猿の惑星/征服 9.0 M$
10位 12人のカウボーイ 7.5 M$

◆ロードショーファン投票(作品)

1位 ゴッドファーザー
2位 ロミオとジュリエット
3位 風と共に去りぬ
4位 屋根の上のバイオリン弾き
5位 時計じかけのオレンジ
6位 ダーティハリー
7位 死刑台のメロディ
8位 わらの犬
9位 フレンチコネクション
10位 さらば友よ

◆ロードショーファン投票(男優)

1位 アラン・ドロン
2位 スティーブ・マックイーン
3位 クリント・イーストウッド
4位 ダスティン・ホフマン
5位 マーロン・ブランド

◆ロードショーファン投票(女優)

1位 カトリーヌ・ドヌーブ
2位 ナタリー・ドロン
3位 オードリー・ヘップバーン
4位 ライザ・ミネリ
5位 オリビア・ハッセー

こうやって眺めてみると、当時は封切した作品だけじゃなくて、TVの洋画劇場の作品でもベスト10に入っていた。
リバイバルの風と共に去りぬなんて何度も放送された。
当時は、何と言ってもアラン・ドロンの人気がすごかった。
何年も連続でファン投票では1位の座に君臨していた。

昔をこうして振り返ってみると、情報が限られていたり、リアルタイムでしか出来ないことが、幸せだったように思える。
その日その時が、どれだけ価値高いものであったかと実感する。

今は便利になったが有難味は小さく、映画も使い捨てになってきたように思うと寂しい限りだ。

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