2009年9月8日火曜日

リオッタとペシ

今朝も日差しは強いが、空気はひんやりしている。
半袖のシャツも後もう少しかな。

映画スターには、レッドフォードやマックイーンのようなかっこいいヒーローもいれば、脇役とは言わないが強烈なキャラクターが持ち味の役者もいるし、毎回カメレオンのように役柄に合わせてキャラクターを変える役者もいる。
強烈なキャラクターといえば、どんな役者さんがいるだろうか。

レイ・リオッタなんかは、そういう役者の名優だろう。濃い顔であるが、どちらかといえば男前の部類である。ところが、彼の目はどこか虚ろで違う世界にいる。自分の内にあるルール以外は存在しない偏執的な人間を演じさせたらピカイチである。
『不法侵入』の警官や『乱気流タービュランス』の連続殺人犯なんて、その典型だろう。そういう人物を演じていると知って観ていても、ゾッとしてしまう。

レイ・リオッタと『グッド・フェローズ』で共演したジョー・ペシも強烈だ。『グッド・フェローズ』では、異常にテンションが高くかっとなると銃を撃つ。食事をしてようが、飲んでいようが、お構いなしだ。しかし、仲間や母親には優しく二面性があり、常に危うい空気を出している。結局は、その性格が災いして命を落とすことになるが、ペシにしか出来ない狂気は圧巻である。
ペシが凄いのは、狂気を演じるだけでなく、コメディも演じれるところだ。『リーサル・ウエポン』シリーズのレオ役が有名だが、お勧めはマリサ・トメイと共演した『いとこのビニー』である。この映画では、ラルフ・マッチオが田舎町で強盗殺人犯に間違われ、弁護士になったと聞いていたいとこのビニーに助けを求めるのだが、黒い皮ジャンにブーツを履き、マリサ・トメイ演じるイケイケねえちゃんの彼女を連れて現われる。見た目は街のあんちゃん、ねえちゃん。そんな二人が事件を解決していくのが楽しい法廷劇の秀作だ。
単なるドタバタでない証拠に、マリサ・トメイは素晴らしい演技でアカデミー賞の助演女優賞を受賞した。
コメディのペシは、いたって真面目に行動する人物を演じていて、無暗におどけたりすることもなく常に真剣だ。それが周りからずれているなんて気にしない。だから、そのギャップが観ていておかしいのだ。
笑わない目。それは狂気を演じてもコメディに出演しても変わらない。

まだまだ、こういう役者はたくさんいる。『ミシシッピー・バーニング』でFBI捜査官を演じたウィレム・デフォー、『コン・エアー』や『スパイ・キッズ』など多くの映画に登場したダニオ・デルトロなどなど。彼らを個性的な役者と言ってしまうのは簡単だが、それぞれの持ち味は全く違うし、彼らにしか出せない魅力も大きい。

今夜は『いとこのビニー』でも観ようかな。

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(=^・^=)kinop

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