2009年9月14日月曜日

B級?

秋晴れ。
風も心地良い朝だ。
台風が来るらしく、これからは下り坂だそうだ。

映画には、アカデミーやカンヌに登場するような作品もあれば、低予算のインディーズ系の作品もあるし、大ヒット映画の二番煎じの作品もある。
大作と呼ばれながらとんでもない作品もあるし、低予算だから悪いという訳でもない。もちろん資金が豊富であることに超したことはないが、結局は中味の問題である。
低予算で無名の監督、無名の俳優を使い、分かりやすい娯楽作品を作るとB級作品と呼ばれることが多い。
ビデオショップに行くと流行の映画をもじったタイトルに似たジャケットの作品を目にする。『ジュラシック・パーク』がヒットした時なんかは、ジュラシックなんちゃらというタイトルの作品がたくさん並んだし、『エイリアン』や『バイオハザード』なんかも類似タイトルがずらりと並んでいた。安易な発想だが、それなりに需要があるのだろう。だけれども、大概は期待を裏切る出来栄えだ。
タイトルから見ても、これは絶対にB級だと分かる作品もある。『死霊の盆踊り』、『ドラゴン対アマゾネス』、『クイーン・コング』なんて、良い例だ。死霊と盆踊りなんて発想自体、呆れるを通り越して感心してしまう。『クイーン・コング』はギリシャ映画だったと思うが、内容もかなりひどかったが、声優界の超ベテランの広川太一朗さんと小原乃梨子さんが吹き替えれば面白くなるかと実験的な要素を謳い文句に、吹き替え版だけを公開したことがある。結果は、さすがのお二人でもどうにもならなかった。
そんなB級作品と呼ばれる作品の中にもキラリと光る作品はあり、その後に大きな作品を手掛けたり、大スターが生まれることもある。
有名なのは、『トレマーズ』という地中に潜むモンスターと人間が戦う娯楽作品だ。この映画の主人公が、どんな役でもこなすケビン・ベーコンだ。監督は、『愛が微笑む時』や『シティ・スリッカーズ』のロン・アンダーウッド。
まず、話のテンポが良く、地中に潜むモンスターと人間がどう戦うかという単純なテーマなので、ストーリーが非常に分かりやすい。
個々のエピソードも良く考えて作られていて、地中のモンスターが振動を感じて襲って来るという設定が効いている。
登場人物も、皆個性的で良い味を出している。中でも兵器マニアの夫婦が自宅の地下室からあれやこれやと武器を持ち出し、ランボー張りの活躍をするのが楽しい。
そもそも、地中のモンスターというのが、B級ならではのアイディアだ。地表に顔を出すのはわずかだから、予算も抑えられるし、逆に姿が見えないスリルが味わえる。
笑えるシーンも多く、それなりにスリルもあって、これぞ娯楽作品という素晴らしい作品だ。
変な言い方だが、B級中のB級と呼べる作品だ。
同じ様に徹底した娯楽作品には『グリッター』という作品もあるが、やはり分かりやすく、テンポもよく、キャラクターが立っていて、面白い。金ばっかり掛けて、作者の独りよがりの作品なんかと比べると、こういう作品の方が断然面白い。観ている人は、極々普通の人だということを忘れ、分からない奴が悪いというのは、作者の傲慢である。如何に観客を楽しませるかに軸足を置くことを一番に考えているのが、このロン・アンダーウッド監督だ。
セリーズ・シャロン主演のキングコングのベースとなる『猿人ジョー』を題材とした『マイティ・ジョー』、4人の幽霊の思い残したことをロバート・ダウニーJr.が叶えていくハートフル・コメディ『愛が微笑む時』、都会に疲れた男達が荒野を旅する『シティ・スリッカーズ』など、どの作品も娯楽に徹底し、必ず笑いもあり、ハートフルな映画なら必ず涙するような場面も用意している。何よりも好きなのは、皆ハッピーエンドなのだ。
作品数が少ないのが、唯一残念なことである。

B級だと侮るなかれ。
中には彼のようなダイヤモンドの原石もいるのだから。


∧-∧
(=^・^=)kinop

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