2009年7月28日火曜日

ゴールドスミス

今朝もどんより曇り空。
梅雨も後半になってから本格的になったようだ。

昨日は、エンニオ・モリコーネの音楽を聴きながら出勤したが、今日はジェリー・ゴールドスミスのフィルム・スコアを聴きながら出勤している。
ジェリー・ゴールドスミスは、生涯で170本以上の映画作品を手掛けた大作曲家である。
『猿の惑星』、『パピヨン』、『エイリアン』、『スタートレック』など数多くの作品に音楽を提供し、アカデミー賞には18回ノミネートされ、『オーメン』では受賞もしている。エミー賞でも5回受賞しており、長い期間に渡って年間6本のペースで作曲した。
『オーメン』のような恐怖を煽る旋律から『スタートレック』のような爽快感とスケール感にあふれた迫力のある曲まで、あらゆるジャンルの映画に素晴らしい音楽を提供した。
モリコーネも凄かったが、ゴールドスミスも半端じゃない。


『ブルー・マックス 』The Blue Max(1966年)
『電撃フリント/GO!GO作戦』Our Man Flint(1966年)
『猿の惑星』Planet of the Apes(1968年)
『パットン大戦車軍団』Patton(1970年)
『トラ・トラ・トラ!』TORA!TORA!TORA!(1970年)
『パピヨン』Papillon(1973年)
『チャイナタウン』Chinatown(1974年)
『風とライオン』The Wind and the Lion(1975年)
『オーメン』The Omen(1976年)
『ブラジルから来た少年』The Boys from Brazil(1978年)
『カプリコン・1』Capricorn One(1978年)
『エイリアン』Alien(1979年)
『大列車強盗』The First Great Train Robbery(1979年)
『アウトランド』Outland(1981年)
『スタートレック』Star Trek: The Motion Picture(1979年)
『ランボー』First Blood(1982年)
『ポルターガイスト』Poltergeist(1982年)
『トワイライトゾーン/超次元の体験』Twilight Zone The Movie(1983年)
『サイコ2』Psycho II(1983年)
『グレムリン』Gremlins(1984年)
『スーパーガール』Supergirl(1984年)
『スティーブ・マーティンのロンリー・ガイ』 The Lonely Guy(1984年)
『レジェンド / 光と闇の伝説』Legend(1985年)
『ロマンシング・アドベンチャー キング・ソロモンの秘宝』King Solomon's Mines
(1985年)
『ランボー/怒りの脱出』Rambo: First Blood Part II(1985年)
『ライオンハート』Lionheart (1987年)
『ランボー3/怒りのアフガン』Rambo III(1988年)
『リバイアサン』Leviathan(1989年)
『スタートレックV 新たなる未知へ』Star Trek V: The Final Frontier(1989年)
『トータル・リコール』Total Recall(1990年)
『グレムリン2 新・種・誕・生』Gremlins 2: The New Batch(1990年)
『ロシア・ハウス』The Russia House(1990年)
『氷の微笑』Basic Instinct (1992年)
『ミスター・ベースボール』"Mr. Baseball"(1992年)
『ルディ/涙のウイニング・ラン』Rudy(1993年)
『スタートレック ファーストコンタクト』Star Trek: First Contact(1996年)
『L.A.コンフィデンシャル』L.A. Confidential(1997年)
『エアフォース・ワン』Air Force One(1997年)
『ムーラン』Mulan(1998年)
『スタートレック 叛乱』Star Trek: Insurrection(1998年)
『スモール・ソルジャーズ』Small Soldiers(1998年)
『追跡者』U.S. Marshals(1998年)
『ハムナプトラ/失われた砂漠の都』The Mummy(1999年)
『13ウォーリアーズ』The 13th Warrior(1999年)
『インビジブル』Hollow Man(2000年)
『ネメシス/S.T.X』Star Trek: Nemesis(2002年)
『ルーニー・テューンズ バック・イン・アクション』Looney Tunes: Back in Action(2003年)


ランボーでも大統領でも掛かってこい、という感じだ。
最初にゴールドスミスの名前を知ったのは、親父に連れて行ってもらった『パピヨン』だ。『パピヨン』は、フランスから南米ガイアナに送られた囚人パピヨンの話で、幾度となく命懸けの脱走を試みては捕まってしまう主人公をスティーブ・マックイーンが迫真の演技で演じた。
共演したダスティン・ホフマンとともに今までのイメージと全く違うリアルさで、過酷な囚人環境と脱走のサスペンスを観客に伝えた意欲作だ。
それに楽曲を提供したのが、ゴールドスミスである。
美しい耳に残るメロディーが場面に応じてアレンジされて使われ、パピヨンのイメージがイコール ゴールドスミスの曲という感じだ。
映画のパンフレットを見て、ゴールドスミスの名前を知ったが、それ以来何度も彼の名前を目にし、何度も彼の素晴らしい音楽に感動させられた。
美しい旋律も、恐怖感溢れる旋律も、エアフォース・ワンのような迫力溢れる音楽も全て高いレベルで映画を盛り上げている。
スタートレックは特に有名だと思うが、宇宙空間をエンタープライズ号が航行する壮大さを迫力満点の音楽で表現していた。
ゴールドスミスの曲なくしては、スタートレックの魅力も大きく損なわれるだろう。


日本にも1998年と2000年に来日し、神奈川フィルを指揮しコンサートを行っている。
来日した際のイベントでの会話やコンサートの様子をネット上で目にしたが、温厚で謙虚な人柄は、170本もの映画を手掛けた大作曲家とは思えない気さくさである。コンサートではアンコールが鳴りやまず、追加でメドレーを演奏したが、それでも治まらなかったので、最後は彼が舞台から観客に謝ったそうだ。
彼は、素晴らしい演奏を賞賛された時も、自分は指揮をとっているだけで、素晴らしいのはオーケストラの皆さんだとも言ったそうだ。

2003年に予定されていた三度目の来日は、体調不良のために実現せず、代わりに彼の友人のチャールズ・フォックスが指揮をとった。会場で流されたゴールドスミスのビデオメッセージにファンも次の来日を期待したが、2004年7月21日の早朝、ロサンゼルスの自宅にて肝臓癌で息を引き取った。享年75歳であった。

彼が亡くなったことは本当に残念だが、彼が多くの作品を手掛けてくれたので、彼が関わった映画を観る度に彼を思い出し、感動させてくれるだろう。


ジェリー・ゴールドスミスは、本当に素晴らしい映画作曲家だった。

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