エアフォース・ワンは、アメリカ合衆国大統領が搭乗する航空機のコールサインである。
通常は、海外への訪問や緊急時に司令をするための専用飛行機に付けられる。
因みに副大統領が搭乗する場合は、エアフォース・ツーとコールされるそうだ。
このエアフォース・ワンにテロリストが乗り込み、大統領自らが彼等と戦うといった内容の1997年公開のアクション映画だ。
監督は、Uボートで一躍有名になったドイツ出身のウォルフガング・ペーターゼン。
ウォルフガング・ペーターゼン監督の主な作品は以下の通りだ。
U・ボート Das Boot (1981)
ネバーエンディング・ストーリー Die
第5惑星 Enemy Mine (1985)
ザ・シークレット・サービス In the Line of Fire (1993)
アウトブレイク Outbreak (1995)
エアフォース・ワン Air Force One (1997)
パーフェクト ストーム The Perfect Storm (2000)
トロイ Troy (2004)
ポセイドン Poseidon (2006)
基本的には娯楽アクション映画の監督だが、『第5惑星』のような珍作もあれば、本作や『ザ・シークレット・サービス』のような大ヒット作品もある。
『第5惑星』で、評価も興行的にも失敗した後、『ザ・シークレット・サービス』が成功しなかったら、『Uボート』だけで終わっていたかも知れない。
個人的には、当たり外れの多い監督だと思う。
この映画が良いのは、ややこしい事を考えずに脂ののったハリソン・フォードを大統領役に起用した事だ。
この時期、彼は55歳。
行動力のある大統領役にピッタリ合う時期だった。
ハリソン・フォードは、ビル・クリントン大統領主催のパーティの席でエアフォース・ワンの見学をお願いし、撮影しない条件で許可を得て、架空ではあるがリアルな機内を再現したそうだ。
ウィリアム・H・メイシーをはじめとした共演者も良い配役だが、やはり一番は怪優ゲイリー・オールドマンが素晴らしい。
ひとつの事を狂信的に信じる人間は、彼ならではの迫力とリアリズムがある。
レオンほどの異常さはないが、テロリストのリーダーにはピッタリの配役だ。
エアフォース・ワンが、いくらジャンボジェット機とはいえ、あの閉塞された空間であそこまで派手なアクションに仕上がった物だ。
もうひとつ、アクションの爽快感や盛り上がりに大きく影響しているのが、巨匠ジェリー・ゴールドスミスの音楽だ。
盛り上がりのあるメイン・タイトルの高揚感は、さすがゴールドスミスと感心する迫力がある。
ゴールドスミスの音楽でワンランク上に仕上がった作品も少なからずある。
今もなお、ゴールドスミスのメイン・テーマを聴くだけで映画の情景が目に浮かんでくる。
映画は音楽も大事な要素だと改めて実感する。
口うるさい人にはつっこみどころ満載の映画かも知れないが、後味爽やかなよくで来た娯楽作品である。
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