2010年4月14日水曜日

リバー・ランズ・スルー・イット





A River runs through it

今やブラッド・ピットは、トップスター中のトップスターである。
どの映画に出ても注目を浴び、大きな話題を呼ぶ。
日本での人気も高く、何度も来日している。
彼が、一躍有名になったのは、ロバート・レッドフォードが監督したリバー・ランズ・スルー・イットである。
1900年代の初頭。
アメリカ・モンタナ州の田舎町で、厳格な牧師の父と二人の息子が暮らしていた。
兄は、秀才で生真面目な性格。
弟は、明るく才能豊かだが、破天荒。
それぞれ性格の違う親子に共通するのは、父が教えたフライフィッシングだった。
二人は成長し、兄は大学講師、弟は新聞記者と巣立って行く。
弟は酒とギャンブルにのめり込み、気の向くまま自由に生きていた。
彼らの人生に様々な出来事が起こるが、それでも川は何も変わることなく流れつづける。

この映画の見所は、何といってもフライ・フィッシングのシーンだ。
木漏れ日に光る水面の中で、キャストされたラインが弧を描く映像は、美しく映画の主題を印象付ける以上の出来栄えだ。
ポスターの写真がまさにその映像だ。
この映画でアカデミー賞の撮影賞を受賞したのも頷ける。

それと、ブラッド・ピットの存在感がすごい。
意識したかどうかは知らないが、この頃のブラッド・ピットは、若い頃のロバート・レッドフォードに雰囲気や見た感じそっくりなのだ。
金髪に、ほんの少しえらが張った端正な顔立ちや、内に何か秘めた雰囲気がロバート・レッドフォードにオーバーラップする。
この映画以降もブラッド・ピットはロバート・レッドフォードを師として尊敬しており、『スパイ・ゲーム』では共演を果たしている。
ビッグスターに育つ人間は、紙一重の狂気を演じられると思っているが、この映画のブラッド・ピットもただかっこ良いだけでなく、観ている側がはらはらする危うさを感じた。
何年かあとに撮られた『レジェンド・オブ・フォール』という映画も本作と似たような映画だったが、やはりブラッド・ピットは破天荒な人生を歩み、生き急ぐ人物を演じていた。

下積みが長かったこともあり、映画に取り組む真摯な姿勢は、共演者も認めるほどだという。
ただただかっこ良いだけでないブラッド・ピットのルーツがこの映画で見られるのだ。


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