2010年4月28日水曜日

アバター




映画館で観たかったが、観れなかった『アバター』をDVDで観た。
まだ公開している映画館もあるそうなので、早いDVD化のような気もするが、考えればヒットした作品なのでロングラン上映ならば、そうでもないのかもしれない。
ストーリーもほとんど知らなかったので、新鮮な気持ちで楽しめた。
タイトルの『アバター』というのも、ネットでよくある自分の分身のキャラクターで使われているアバターと同じ意味か否かも知らなかった。

DVDなので、3Dの映像は楽しめなかったが、映画自体は良くできた面白い作品だった。
ジェームズ・キャメロン監督の作品は、『ターミネーター』、『エイリアン2』など、どの作品もダイナミックで娯楽性の高い一級のエンタテイメント作品である。
メロメロした『タイタニック』以外は、大好きな作品ばかりである。
この『アバター』も類に漏れず素晴らしいエンタテイメントに仕上がっていた。

まず、何といっても自分の分身である異星人の体とシンクロするという発想が面白い。
シンクロするためには、CTスキャンみたいな特殊な装置に入って睡眠したような状態にならないといけない。
アバターとしての生活と自分自身の生活が交差し、次第にアバターの生活が本来の自分に変化していくのだが、その過程を観ていて共感させられた。
主人公は車椅子の生活をおくっているが、アバターの世界では跳んだり走ったり、自由自在だ。
摩訶不思議で神秘的な世界を体感し、美しい女性のエイリアンとも恋をする。
ネットの世界でのアバターも同じような感覚だと思うが、ネットの世界は架空の世界でリアルになることはない。
この映画自体も架空だが、物語の中では、アバターの実体が存在しているというところが違う。
リアルな存在がある分身だからこそ、実体の生活の空虚さや閉塞感と比べ、アバターの世界の美しさや開放感が浮き立ってくる。
主人公が、引き込まれていくアバターの世界がまた、実に魅力的にえががれている。
青い肌の異星人は、すらりとした長い腕と足を持った長身の姿をしており、猫のような瞳を持ち、人間とは比べ物にならない優れた身体能力を持っている。
正直なところ、映画を観るまでは異星人のキャラクターに違和感があった。
しかし、映画を観ると異星人が本当に魅力的で美しいと感じた。
映画を観進めれば進むほど、その魅力が増していく。
全ての命は繋がっていて、一つ一つの命を尊ぶ。
彼らは命の根源をエイワと呼び、全ての命は生命の樹で繋がっている。
この樹は、祖先の知識のデータベースでもあり、サーバーでもある。
心が通い合うというのは目に見えないものであるが、この映画では物理的に繋がるところがまたユニークだ。
登場人物が魅力的でストーリー展開も分かりやすく、説明的でない世界観の伝え方が上手く、リアルで美しく見たことのない映像に引き込まれていく。
ワクワクし、この世界の魅力に引き込まれていく感覚こそ、キャメロン監督が狙ったことと聞くと納得がいく素晴らしい作品だ。

キャメロン監督は、この映画のために彼らが話す言語まで作ったという。
ナヴィ語は、南カリフォルニア大学の言語学者の協力を得て4ヶ月掛けて生み出した言語だそうだ。
夜になると光る植物や動物達、空に浮かぶ岩山、自然と共に暮らすナヴィ達。
見たことのないリアルで神秘的な映像の数々に驚かされるが、キャメロン監督がリスペクトする宮崎駿監督の『もののけ姫』のオマージュも込められているそうだ。
確かに生命の樹の存在や巨大な木の存在は宮崎駿の世界観に通ずるところがある。

主演のワーシントンは、後2作の出演契約を結んでいるそうで、続編を制作する計画らしい。
久々にこれぞエンタテイメントと呼ぶにふさわしい見事な作品に出会った。
今から続編が楽しみだ。
次は映画館で神秘的な世界を体験したいものだ。

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