2010年4月19日月曜日

メリーゴランド



中学生の頃に観たイタリア映画だ。
レナート・チェスティという男の子が主人公のいわゆる泣ける映画である。
映画の邦題は、『メリーゴーランド』だが、原題は冬の終わり頃に降る雪、なごり雪というタイトルだ。
邦題は映画の哀しいラストシーンから付けられている。

母親を亡くし、父親と2人で暮らす少年ルカ。
ルカの願いは、仕事で忙しい父親と2人だけの時間を過ごすことだった。
待ちに待った夏休み。
ルカは父親と地中海へバケーションすることになり、大喜び。
しかし、旅行先には父親の恋人が待っていた。
ルカは、楽しみにしていた分だけ、失望は大きかった。
そのことに気付いた父親の恋人は、2人だけの時間を作ってあげるよう父親に話すのであった。
父親もその言葉に納得し、ルカと2人だけでスキーに出掛けることになった。
嘻々として喜ぶルカ。
やがて、冬の終わり頃に2人はゲレンデを訪れ、本当の2人だけの時間を過ごすのであった。
しかし、ルカに不幸が襲う。
スキーで転倒して、ルカは大けがを負ってしまった。
医師の診断は、脊椎損傷による急性骨髄性白血病だった。
治る見込みのない病に打ちひしがれる父親。
日に日に容体は悪化していった。
そんなルカの最後の願いを叶えるため、ルカを抱きかかえて、夜の遊園地に行った。
閉園後の遊園地で無理をいって二人だけのために開園してもらえることになった。
父親に抱きかかえられルカはメリーゴーランドに乗った。
やがて、最後の時が訪れる。
揺れるメリーゴーランドに乗り、ルカは父親の腕の中で天国へ旅立つのだった。

嵐の夜、ルカの死を受け入れることができず、虚ろな姿の父親には後悔する気持ちに押しつぶされそうになっていた。
父親は、ルカが父親にプレゼントしようと思っていたレコード盤を見つけた。
美しい旋律が、さらに哀しさを増すのであった。
この回想シーンから映画は始まっている。

シチュエーションは違うが、『天使の詩』に似たストーリーだ。
母親を亡くし、父親とのすれ違いから不幸な結末を迎える。
後悔、先に立たず、という内容だ。
中学生の頃から、こういう泣ける映画には弱い。
映画を観る前には、身近な人が亡くなること以外でこういう感情を受けたことがなかった。
この映画は、父親と行った映画だ。
エンドロールの後、館内が明るくなりボロボロ泣いているお父さんの姿が忘れられない。

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