2010年7月28日水曜日

スラップ・ショット



『明日に向かって撃て』のジョージ・ロイ・ヒル監督とポール・ニューマンが作った愛すべきスポーツコメディ。

アメリカのプロ・アイスホッケーチームであるチャールズタウン・チーフスのコーチ兼プレイヤーのレイジーことポール・ニューマンが、低迷するチームを立ち直らせ、翌年に向けてあの手この手と奔走する。
オーソドックスな戦いを続けていたチーフスは、チームがスカウトしたハンセン3兄弟と契約し、彼らをゲームに出したことで一変する。
ハンセン兄弟は、皆 長身・長髪でど近眼。
遠征でも常におもちゃを持って行き、ホテルの部屋でレーシングカーで遊ぶという変わり者。
レイジーは、このいかれた兄弟をお荷物と思っていた。
しかし、ある試合で主力選手の多くが負傷し、彼ら3人が出場する。
黒縁の眼鏡をかけたハンセン3兄弟は、ゲームに出場するなり相手選手を弾き飛ばし、挟み込んだりと目のさめるようなラフプレイで大暴れ。
チームの低迷にストレスで鬱憤の溜まっていた観客も大喜び。
殴る蹴るの派手なプレイで途中退場になってしまうが、チームは勝利を手にし、ファンの大きな声援を得た。
チームのスタイルは一変し、ラフプレイで連勝し、ハンセン兄弟をはじめ大きな人気を得る。
ある試合で観客から投げられたチェーンがハンセン兄弟の一人の眼鏡に当たり、観客席に乱入して大暴れになった。
ハンセン兄弟は、その暴行で留置所に入れられることになったが、さらにチームの人気を高める結果となった。
レイジー自らが、ラジオ放送で相手チームの中心選手を潰したメンバーに100ドルの賞金を渡すと言ったり、もうはちゃめちゃ。
連勝を続け、いよいよ優勝目前に迫るチーフス。
さて、彼らに明るいオフは訪れるのか...

と、下品な言葉もバンバン言うは、格闘技並みのラフプレイは飛び出すはと、やんちゃな男たちが暴れまわる爽快なコメディだ。
離婚を迫られる妻や女性が絡むエピソードも盛り込まれているが、追い詰められた男たちの真剣さをリアルにするためのおまけのような物。
見所は、はちゃめちゃな男たちがリンクで暴れまわるシーンだ。

この映画の出演者はポール・ニューマンをはじめ役者達だが、リアルなゲーム・シーンを撮るため多くのプロ・プレイヤーが登場している。
ハンセン3兄弟も現役のプレイヤーがオフを利用して出演した。
彼らはインタビューで語っていたが、いつも通りの雰囲気で暴れ回ってくれれば良いと監督から言われていたそうだ。
リアルなシーンを撮るために苦労していたのは、プロ・プレイヤーではなく役者達だったようだ。
ハンセン兄弟の3人ともが口を揃えて言っていたのは、ポール・ニューマンのスケーティングが上手いということだ。
さすが、ポール・ニューマン。
並みのスターとは少し違う。

ジョージ・ロイ・ヒルはポール・ニューマンとロバート・レッドフォードと映画を多く撮った。
『スティング』、『明日に向かって撃て』では2人と、本作ではポール・ニューマンと、『華麗なるヒコーキ野郎』ではロバート・レッドフォードと作品を作っている。
いずれも、少し馬鹿馬鹿しいが愛すべき男たちを描いた作品だ。

この映画は本当におすすめだが、やはりハンセン兄弟の大暴れが一番面白い。
ラストのシーンも馬鹿馬鹿しくって、適当と言えば適当なんだが、良い余韻が残る楽しい映画だ。
因みにハンセン兄弟役の3人はこの映画の影響もあって人気を博し、多くのチャリティー・イベントでも活躍しているそうだ。


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