2010年8月7日土曜日

デーブ



『ゴースト・バスターズ』のアイバン・ライトマン監督によるヒューマン・コメディ。
主演はケヴィン・クライン。

容姿が、ビル・ミッチェル大統領に瓜二つである理由で、人材派遣会社を営むデーブが大統領の替え玉に雇われる。
興味本位で気軽に替え玉を引き受けたことが切っ掛けで、デーブの運命が大きく変わってしまう。
デーブに代役を任せ、秘書とアバンチュールを楽しんでいた大統領は、突然脳卒中を患い、植物人間になってしまったのだ。
大統領特別補佐官のボブ・アレグザンダー(フランク・ランジェラ)は、ミッチェル大統領の後釜を狙う野心家でもあり、大統領の病状を偽って公表し、替え玉のデーブをしばらくの間代役に立てようとした。
報道官のアラン・リード(ケヴィン・ダン)と共にナンス副大統領(ベン・キングスレー)は精神的な問題があると偽りの説明をし、国家の危機を救うという名目でデーブを説得した。
ミッチェル大統領との夫婦仲が冷め切っていたファーストレディであるエレン(シガニー・ウィーバー)をも騙し、デーブは見事に大統領として行動するのであった。
ある日、大統領はエレン婦人が力を入れているホームレスの保護施設の視察をすることになった。
ホームレス施設には多くの子供たちが暮らし、その事実にデーブも驚くのであった。
デーブはみんなから離れて一人で遊ぶ少年に声をかけた。
手品を見せ、少年の心を開こうと語りかける姿を見て、驚きながらも喜ぶエレン婦人の姿があった。
しかし、アレグザンダー補佐官の手により、ホームレス保護の法案は、大統領の拒否権で却下され、夫への失望にエレンは怒った。
事実を知り、デーブはアレグザンダー補佐官に抗議をしたが、悔しければ6億5千万ドルを捻り出してみろと言い放たれてしまうのであった。
デーブはどうにかしようと、親友の会計士マーリー(チャールズ・クローディン)をホワイトハウスに呼び出した。
デーブは、マーリーにどうにか6億5千万ドルを捻出できないかと懇願した。
最初は事の大きさに驚いたマーリーであったが、デーブの頼みを聞き入れ穴だらけの予算案の見直しをするのであった。
第100回目の記念する閣議には大勢のカメラも集まり、閣僚達が顔を揃えていた。
デーブは、閣議の冒頭で予定になかった予算の見直しを議題に上げた。
事情を知らなかったアレクザンダーはどうにか食い止めようとするが、後の祭り。
デーブは、様々な無駄を指摘し、最後には6億5千万ドルの捻出に成功するのであった。
デーブの見事な手際に閣僚や記者達も暖かな拍手を送った。
そのニュースを知ったエレンは、大統領が別人でないかと疑い、替え玉であることを見抜いてしまった。
大統領が危篤状態である事を知り、一度はホワイトハウスを出て行く決意をし、デーブと外に出たのであったが、デーブの人柄を知り人のために役立つことができる希望を持ち、二人でホワイトハウスに戻った。
デーブは、不正を推し進めるアレグザンダー補佐官を解雇した。
アレグザンダー補佐官の策略でナンス副大統領は不正の疑惑に掛けられていたが、デーブをも失脚させるため、大統領が過去に犯した不正も暴露してしまった。
大統領の不正は事実であり、デーブは誠実な副大統領の潔白を証明するため、シークレットサービスのデュエーン・スティーヴンソン(ヴィング・レイムズ)やリード報道官とある行動に出るのであった...

この映画、大好きな映画である。
何度見ても楽しいし、すかっとした気分になる。
主役のケヴィン・クラインをはじめ配役が素晴らしい。
芯の強い女性を演じたらピカイチのシガニー・ウィーバー。
重みのある悪役は、『フロスト×ニクソン』でニクソン大統領を演じたフランク・ランジェラ。
人の良い親友マーリーにはチャールズ・クローディン。
誠実な副大統領は演技派のベン・キングスレー。
無口だが人間味のあるシークレットサービスのスティーヴンソンは、ヴィング・レイムズ。
デーブの行動を見て改心する報道官には、ケヴィン・ダン。
芸達者な役者たちを役柄にマッチして配役しているのが素晴らしい。
人間味とユーモアにあふれた素敵なコメディである。

まだ観ていない人にはお薦めの1本だ。

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