2010年1月12日火曜日

私をスキーに連れてって




1987年に公開された『私をスキーに連れてって』という原田知世主演の映画がだい好きだ。若かったこともあるが、世の中は明るかった。その時代の雰囲気が映画からあふれている。
ユーミンのカセットテープをカーステレオのデッキに入れ、4WDのセリカGTーFOURを走らせ白銀のゲレンデへ。ソバージュヘアーに太めの眉にメークした女友達。週末には仲間達と馴染みのパブに集まり、次のバケーションの相談で盛り上がる。ゲレンデへ向う満員のスキーバスなど当時の風景が本当に懐かしく思う。映画ほど優雅な生活はしていなかったが、世の中は明るく賑わっていた。

会社の風景も映し出されていた。
デスクにはパソコンはなく、灰皿置いてくわえ煙草で仕事。パソコンはあるにはあるが、今のように1人1台という訳もなく、共用のパソコンがチーチコなるプリンタにリストを打ち出している。

スキーに行くメンバーとの連絡も携帯なんてなかったからハンディなパーソナル無線が大活躍だ。彼女から聞き出す電話番号も もちろん自宅の黒電話。

こういった1つ1つの情景が当時の雰囲気を思い出させてくれる。

映画の出演者は、主人公の2人に既に人気のあった原田知世さんと この映画がメジャーになる切っ掛けとなった三上博史さん。三上博史さんは、スキーが滑れるというプロフィールだけで選ばれたそうだが、実際には2回程度ゲレンデに行っただけだったらしい。良い度胸をしている。
この他にも三上さんの友人役に原田貴和子さん、沖田浩之さん、高橋ひとみさん、布施博さん、鳥越マリさんが出演しており、楽しいシングルライフをスクリーンで演じていた。
上司の課長には故小坂一也さん。三上さんを妬む先輩社員に竹中直人さん。尊敬する先輩役に田中邦衛さんと中々楽しい配役だ。

この映画を制作したのはバブリーな時代に活躍したクリエイター集団のホイチョイ・プロダクション。このホイチョイ・プロダクションが音楽を依頼したのがユーミンだ。この映画でも流れる♪恋人はサンタクロースや♪サーフ天国,スキー天国を集録したSurf & Snowも映画と共に大ヒットした。

当時も暗い話題があったかもしれないが、今の時代のようなストレスはなかったし、金はなくとも元気があった。
ああいう空気にならなければ景気が良くなったとは誰も思えないのかもしれないが、中々難しそうだ。
今となってはおとぎ話を聞いているような映画だが、楽しかった当時を思い出させてくれる映画だ。


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